36℃に達する猛暑の中、都心で開かれた7月句会に行って来ました。暑さにめげずに集まったメンバーのご褒美に、宗匠の先輩は大盤振る舞いで句を採って下さいました。でも、こちらに選句が偏り過ぎた感じで、大分面映ゆい感じがしました。

 

今月の兼題は、西日、海の日、百合、兜虫、席題は、キャンプ、浴衣、漢字題は、着、弾でした。投句16句は以下の通りです。

 

1、連弾の姿涼しき姉妹かな

2、星明かり影の行き交ふキャンプの夜

3、大雷雨ものともせずに着陸す    →  一揺れし雷雨の中に着陸す  

4、黒光りして水弾く茄子の肌     

5、ゆるく着て白きうなじの藍浴衣

6、涸沢の伽藍の底にキャンプの灯

7、大川端倉庫の壁を灼く西日

8、銭湯の壁絵に赤き西日射す     →  銭湯の壁絵に射せる西日かな

9、遙かなる西日の海は黄金色

10、西日射す濃く勝り行く街の色

11、海の日の臨時特急房総へ

12、海の日の人影薄き雨の浜

13、姥百合の仄白く咲く谷戸の奥    →  姥百合の咲く谷戸の道深く来て

14、大輪のやまゆり雨の雑木山

15、兜虫飛ぶ少年の手を逃げて

16、糸巻の戦車引つ張る兜虫

 

句友との互選では、2、4、5、8の句を抜いて貰いました。特に、5の句が、色っぽい句だとして、よく抜かれました。宗匠の先輩には添削の上、並選で、2、4、6、16の句を、特選で、1、3、8、11、13、14、15の句を採って頂きました。

 

景を結ばず、年に一日しかない「海の日」を詠むのは難しいとの講評が有りました。海の日の休日に遊びに行ったという句が多かった中で、宗匠の先輩は「海の日やタグボートにも日章旗」、「海の日や遠い国より練習船」という句を詠まれていました。

 

「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日」として制定された祝日であるのだから、宗匠の句は見事に季題の本意を詠んでおられると感銘を受けました。

 

また、胃癌の手術から復帰した句友の「大手術終え来て百合のかぐはしき」を、皆が挨拶句として抜いたのですが、宗匠は採られませんでした。大手術などと大げさに言わず、「麻酔から醒めて白百合かぐはしき」と詠めば十分であるとの評でした。