句会へと家を出る頃には雨が止んでいました。雨のお蔭で涼しくなり、傘を差さずに歩けて良かったです。都心に向かう地下鉄には大きなキャリーバックを引き摺る外国人旅行者が溢れていました。

 

今日の句会は欠席する句友が出て、欠席投句を含め何時もより多く清記しなければならず忙しかったです。兼題は、噴井、玉葱、跣足(素足)、袋角、席題は、代田、常磐木落葉(夏落葉)、漢字題は、魚、餡でした。投句16句は以下の通りです。

 

1、隠れ無く魚影の走る泉かな    →  隠れなく魚影の走る泉かな

2、甲斐駒を映す代田や浮雲も    →  甲斐駒を映す代田や高曇り

3、夏落葉まづ掃き始む庭仕事    →  夏落葉まづは掃き初む庭仕事

4、梅雨空を払ふ番茶と餡こ玉    →  梅雨愁ひ払ふ番茶と餡こ玉

5、巻機の麓代田を渡る風

6、代田光る平野日本は水の国

7、採れ立ての野菜噴井に洗ふ朝   →  採り立ての野菜噴井に洗ふ朝

8、越路来て風の木陰の噴井かな

9、霊峰の力漲る噴井かな

10、新玉葱剥かれて白き肌光る

11、泥田へと恐る恐るの跣足の子

12、ポニーテール渚に遊ぶ素足かな  →  渚走るポニーテールの素足の娘

13、青々と素足に触るる畳の目

14、袋角触るる尼僧の白き指

15、新たなる日日の始まり袋角

16、太りゆく玉葱雨の来る度に    →  太り来る玉葱雨の降る毎に

 

句友との互選では1、2、4、10の句を抜いて貰いました。宗匠の先輩には添削の上、まあ句になっているとして並選で11と13の句を、まあまあの出来だとして、なんと特選で1、2、3、4、5、7、8、12、16の句を採って頂きました。

 

3の句の下五「浮雲も」は如何にも付け足し、4の句で払ったのは「梅雨空」ではなく「梅雨愁ひ」では、7の句は自分で収穫したのだから「採れ立て」ではなく「採り立て」としたい、16の句は「太りゆく」では時間が間延びしてしまうとの評です。

 

何時もより少ない人数の句会だったので、丁寧な句評を頂けて良かったです。でも、やっぱり座には皆がいて欲しいです。来月の句会は夏至を過ぎた6月24日、兼題は、芝刈、竜舌蘭、海開、夕凪です。