早池峰という山名を初めて認識したのは高校の地学の授業でだったと思います。北上山地の隆起準平原に屹立するモナドノック(残丘)であると教えられました。加えて宮沢賢治の作品を愛読することによって、種山ヶ原等と共に記憶に留められました。

 

そんな脳内へのインプットに誘われて早池峰山に登ったのはもう50年も前になります。山の相棒YS氏と残雪期に登って、頂上付近の湿った雪を踏み抜くことを繰り返し、下半身がびしょ濡れになったことが今も記憶に残っています。


今月から放送時間が月曜日の17時半に移ったNHKBS<にっぽん百名山>は今夜その早池峰山を紹介していました。固有の高山植物が咲き競っている山の様子が見られて良かったです。我々は残雪期に登ったので残念ながらその光景は見られませんでした。

 

中腹の散乱した大岩を縫うように登ったことも思い出しました。基盤の橄欖岩と変成した蛇紋岩からなる早池峰山は、岩石成分のマグネシウムやケイ素の影響により樹木が育たず、氷河期からの花が生き残る場所になったのです。ハヤチネウスユキソウ等の固有種が多く、もう一度行ってみたい山ではあります。