菜種梅雨というのでしょうか、昨日からの雨が朝になっても降り止まず、援農はお休みになりました。底冷えのする一日で今日も巣籠りです。お蔭で読書が捗ります。久しぶりに鷹羽狩行<俳句の秘法>も再読しました。

 

江國滋の著書<スイス吟行>の中で、旅をしつつ俳句の添削の妙を披露する鷹羽狩行が描かれています。その添削の真髄を示してくれたのがこの本です。たった一字を変えることで句が見違えるようになるのです。数多くの中から3例を挙げてみました。

 

     原句              添削後

     足音の遠ざかりゆく夜寒かな → 足音の遠ざかりゆく寒夜かな

     母の滋味芯までしみて煮大根 → 母の味芯までしみて煮大根

     紅梅の香りの傘下落着かず  → 紅梅の香りの下に落着かず

 

「摩天楼より新緑がパセリほど」という鷹羽狩行の句があります。昭和44年のアメリカ旅行の際にエンパイアステートビルからセントラルパークの新緑を目にして、その時の「パセリほど」とのメモを元に帰国後に推敲を重ねて出来た句だそうです。

 

俳句もブログもまずは作ってみて、それからあれこれ思いがより良く伝わるように推敲するのが楽しいと感じられるようになりました。ブログを書くに当たっては、1パラグラフは3行以内に留め、同じ言い回しを繰り返さないようにしています。