おもったより雲が取れなかった今日、暖かさの残る街を歩いて新年句会に行って来ました。歳を重ねているものの、句友は皆活き活きと句会に臨んでいます。この頃訃報を耳にすることが多いですが、俳句を作っていれば結構元気を保てそうです。

 

今月の句会の兼題は、葉牡丹、氷面鏡(結氷)、年男、寒参、席題は、雪晴(深雪晴)、大寒、漢字題は、天、地です。投句18句は以下の通りとしました。

 

1、深雪晴小さき足跡続く原

2、元日の静けさ破る地震の報

3、日脚伸ぶ天使の梯子かかる町

4、大寒の雨しめやかに地を濡らす

5、中天に懸るオリオン虎落笛

6、ビバークの朝仰ぎ見る深雪晴

7、大寒の能登閉ざされし村々よ

8、乾き切る地に咲き初むる仏の座

9、寄植えの芯にフリルの葉牡丹を

10、葉牡丹の列のいざなふ茶室へと

11、テント立つ赤城大沼氷面鏡

12、峠より見下ろす諏訪湖氷面鏡

13、白駒の池に声なし氷面鏡

14、年男なればスターの齢知る

15、勢ひを豆に込めたる年男

16、ちと酔ひぬ帰還遅らせ寒参

17、山神へヘッドランプの寒参

18、被災地の闇に連なる寒参

 

句友との互選で、1、5、8を抜いて貰いました。特に5の句がよく抜かれました。宗匠の先輩には、まあ俳句にはなっているとして並選で、1、4、5、6、10、11の句を、特選で3と9の句を採って頂きました。

 

「日脚伸ぶ」と「天使の梯子」の取合わせが新鮮との評を頂きました。散歩の途中で丘の上から眺めた実景です。並選となった理由として、1の句は「小さき足跡」では景が結ばない、4の句は「地を濡らす」では平凡、5の句は「オリオン」が付き過ぎ、6の句は「仰ぎ見る」が余計、10の句は類想句が多い、と言われました。

 

なお、能登地震を詠んだ句が多かったけれど、敢えて採らなかったと締め括られました。2月句会の兼題には、芝桜、春の土(土匂ふ)、緑摘む、バレンタインデーが出されました。もう春の季語です。