遂に出産の時間が来た

痛みは最高潮に達していた

今までに感じた事の無い痛みだった

落ち着くなんて無理だった

夫が差し出した手を握って…

そして少しだけ痛みが緩んだ気がした



苦しい初産を経て母親になる私

弱冠6歳で妻の出産に立会い父親になる夫


何もかもが初めてで戸惑う事が多かったけど…

その手を取ると、どんな大きな苦難も小さく取るに足らない物に思えて乗り越える事が出来た

そして…


195年16日夜一刻

私達に1人目の子が生まれた

夫によく似た女の子だった


「スーザン」と言う名前が如何にも似合いそうな子だと思ったけど

予め決めた名前を付けた


この幸せな瞬間を一生忘れない…と心に誓った

我が子の誕生の瞬間に立ち会った夫

独特の労い方をして、さっさと寝てしまった…




仕方が無いので、産後の身体をして市場へ買出し

成長した娘に「母ちゃん」と言われたくない一心で人形を買い込んだ