(まだまだ早い気もしますが、オスキツとしてのプレイも終盤になので、来世のPCメアリー・サーキスの生い立ちをお送りします。)



メアリー・サーキス…これ本名じゃないの。
あたしが勝手に名乗っているだけ

でも今はコッチの方が断然良い。



本名はアンヌ=マリー・ド・ラヴァル
アンヌは母方祖母、マリーは父方祖母メアリーの派生形から付けられた。
デヴォン国北部にある要塞都市レーの領主家の第5子(末子)



王国内は幾つかの地方があり、其々の地方に諸侯/領主が配置され、諸侯/領主はその中心都市に拠点を置いて治めていた。

諸侯/領主は旧王族が任命されていた。初代国王ロベールは子沢山だった為、嫡子を臣籍降下させ諸侯(地方領主)に任命した。

領主は国王に忠誠を誓い、納税と引き換えに爵位を賜り所領を安堵していただく。これが封建制の始まりだった。

諸侯は世襲制で断絶したり御家取り潰しの勅令が出た場合は、当代国王の次子以下もしくは弟妹が臣籍降下を経て新たな領主に任命される仕組み。

我が家(男爵)は旧王族(侯爵)の末端、領主の直系が断絶した結果、家督相続で領主になったんだけれども…前領主の祖父ガブリエルの子は1人しか成人出来ず、世襲制に随い已む無くその子に跡目を継がせた。その唯一の子というのが母だった。



諸侯や領主、それから後継者達は他諸侯/他領主から配偶者を迎える事が一般的、配偶者には同格家の庶子が選ばれる事が多かった。

父は他諸侯の庶子で、薬草や染料の栽培が盛んな南部のルクデル地方から嫁いで来た。
例に漏れず政略結婚だった。

代々の当主と同じように、母は意中の相手と結ばれなかった鬱憤を後宮で晴らしていた…らしい

後宮の主人は当主の配偶者=父だったけど、母が父の許へ通う事は滅多に無く、あたしが生まれてからは一切来なくなった。母があたしの記憶に殆ど残っていない理由…分かってもらえたかな?



父も始めは泣き暮らしてたみたい。
文化や慣習の違いに戸惑い、適応するのに苦労して、しかも母には助けてもらえないし…



猛勉強の結果、北部の言葉を習得し、家臣や民衆の支持を得る迄になったけど政治に口出しする事は無かったみたい。



その後は、育児や公務代行(出産時)で気晴らししていたみたい。

実は次兄グザヴィエと三兄ラファエルは庶子、異父兄だった。もしかしたら、あたしも本当は庶子かもしれない…



王国では庶子も嫡子同等に育てられる(血縁関係の有無を問わず子ども全員が正式配偶者を親として養育される)ため、父も全員分け隔て無く育て愛情を注いだ。



この暗黙の了解は逆効果、母は父だけではなく子どもの事も顧みなくなった。庶子を実の親に当たる愛人と共に育てるのであれば、庶子だけでも愛情を注いでいたかもしれない…



そんな表面上の平穏も、少しずつ軋みを立てて崩れ始めた。
母が唯一頭の上がらなかった人物:祖母アンヌが亡くなり、母は公私ともに生活が乱れ始めた。

王国内では、国王の許可が無い限り行軍は禁止。しかし母はルールを無視して行軍。それも1度や2度では無かったらしい。



暫くして不要な出陣癖が収まったんだけど、今度は要塞作り。お金や人を湯水の如く使った。

働き口が足りない状態ならまだしも…案の定この政策は深刻な人手不足を招いた。働き手を失った畑は荒廃し、領民は食べる物にも困る生活を強いられた。



不要な要塞や城を幾つも作らせた挙句、金が底を尽きそうになっても「知らぬ存ぜぬ」の姿勢を押し通した。



その間にも他領主からの借金は膨らみ続けた。
家族と賢臣を遠ざけ、自分の保身しか考えない臣下や愛人を囲い、要塞宮殿に入り浸り…次第に政務を摂らなくなった。



母の愛人を嫌った賢臣達は、発言力の弱い父ではなく、既に別所帯となっていた長兄の下へ集まるようになった。



悪政は思わぬ形で幕を閉じた。
三兄ラファエルが領内の湖畔で謎の死を遂げた

ラファエルの遺体の傍には若い女性の遺体が寄り添うようにして倒れており、2人とも頭から血を流して倒れていた。



銃で互いのコメカミを撃ち合う心中自殺と言われていたけど、子ども心にも事実ではない事ぐらい分かっていた。

だって、今晩死のうとしている人間が明朝に郵送するクリスマスカードを用意するかしら…?

母はラファエルを一番気に入っていたから、その死に衝撃を受けて少し寝込んだ…その隙に乗じて
いつもは宮殿の北側と西側に詰めている屈強な兵達が、後宮に乗り込んできた。

両親/四兄フェリクスとあたしは、最小の護衛と最低限の荷物を持ち、宮殿内の地下通路から命からがら逃亡。長い逃避行の末に命からがら帝都へ着いた。



グザヴィエの兄貴は…知らん!
いつものように街中の女の所へ通い詰めていたんだろうから…



代わりに領主となったのは長兄ギョーム
ギョームがクーデターの指揮を執った事は誰の目から見ても明らかだった。

自殺と思われてたラファエルの兄貴も実は…



平和裡🕊に世代交代をさせる為には、母を領外へ追放するしか無かった。

後で分かった事だけど、逃亡先を確保したのもギョームの兄貴。今思えば、タイミング良く沖に王都の護衛艦が来た事にも理由があったんだ…



他領主への借金は兄貴の貯金から完済したけど、王都への借金返済/所領安堵が大きな課題として残った。



でも王都との交渉も水面下で成立させたの

諸悪の根源だった母と残りの家族を「人質」に差し出す事と引き換えにね…

直接会う事は少なかったらしいけど、両親とギョーム一家の仲は然程悪くなかったみたい



性格の上では最も母の血を引き継いだ次兄グザヴィエ
一家亡命後に領内の歳上の画家と結婚したらしい
そして新領主となった長兄も認めたらしい

母だけは亡命先から勘当を言い渡す憤慨の手紙を送り付けたみたいだけど、グザヴィエの兄貴なら読まずに暖炉の肥やしにしている事だろうしw



一方あたし達一家は親戚のツテで王都郊外の屋敷へ引越した。
地位や身分を失い、時間が空いても、母が家庭を顧みる事は無かった。

そして中央政府の監視の下、モーテルや船中を愛人と共に転々とする生活を始めた。そして死ぬまで家族の許へは戻ってこなかった。

あたしが成人した直後に、心筋梗塞で死んだ。





長い旅路、慣れない環境/言葉遣い、そして溜りに溜まった鬱憤(主に家庭を顧みない妻)で心を病んだ父
母が出て行って間も無く療養生活に入った。



そして亡命直後に成人したフェリクスの兄貴は
すぐに他領主家へ婿入した。



1人ぼっちのあたしを引き取ったのはルクデル地方に住む父方祖母メアリー
伯爵(祖父)の妾で、昔は異国の舞台俳優だった。

伯爵は正妻(当時)に4子を隠し通し、引き取りすら拒否。毎月の生活費と養育費を渡し、結婚直前の子どもに苗字と身分を箔付けさせた程度だったらしい。順って4人の子どもは祖母が女手一つで育て上げたらしい。

伯爵夫人の死後に伯爵の計らいでルクデル行政府の近くに屋敷を構え、悠々自適の生活を送っていた。祖母メアリーは周囲から「生き字引」と呼ばれるほど博識で聡明だった。



3歳の誕生日を迎えた年、あたしは中産階級が通う寄宿制の女学校へ入った。

進学先を決めたのは叔母だった。
学習だけではなく武術も厳しく指導されたんだけど、武術が上達する事は無かったわ。

運動嫌いなのよ!

厳しい環境で切磋琢磨し合う仲間も長期休暇になれば家族と過ごしていた。あたしだけ数日寄宿舎で過ごし、その後は親戚を盥廻しにされた。

親戚の家では折合いが悪く、嫌がられた。
厳しい学舎生活の賜物『論破と腕力』が裏目に出た結果だった。



此処までが0〜2(6歳相当)までの話
続きは、また何処かで…じゃあね