PWG Only Kings Understand Each Other

マット・リドル&ジェフ・コブ×マイケル・エルガン&ブライアン・ケイジ

リアルキン肉マン世界ですね。みんながみんな規格外なパワーを持ち合わせ、一番細身のリドルも躍動感はトップランク。度肝を抜かれるような攻防の熱量で、少々のことは気にしないコマンドー理論の好勝負。☆4

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 キン肉マンを実写化してしまったような試合の濃密度があります。エルガンの絶対的パワーファイター性とケイジとコブの身にまとった筋肉に似つかわしくない機動力が、滞空ブレーンバスターのシーンや、ヘッドシザース→619、その場飛びムーンサルトの規格外ぶり。リドルも細身ながらも完璧に巨漢ファイターを投げ切るエクスプロイダー、自身の身体能力に惚れさせんばかりの躍動感も加わり、細部を熱量で塗りつぶす好勝負となりました。☆4

 

 

PWG Nice Boys (Don’t Play Rock’n Roll)

チャック・テイラー&トレント?×ザック・セイバーJr&マーティ・スカール

PWGという団体のスタイルが忠実なる洒落化に伴って構成されていると思わせるファニーさのエッセンスとテクニカルな攻防を配合した素晴らしいタッグマッチ。決着シークエンスの繰り出し方に思わず唖然。☆4

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 PWGのタッグないし複数人マッチのイメージとして、極上のハイフライヤーという具材を用意して、あとは弱肉強食の現象性の鍋に放り込み、意図的なカオスを生み出すことがハイインパクトの要素と思っていました、実際にPWG自体の米国内での団体のポジションも踏まえると、彼らはプロレス式の攻防を“洒落化”していることに気が付きました。例えば、今回は遺恨戦としてのタッグマッチなのですが、序盤からLOTNSがヘタレて逃げる、ベストフレンズが見せ場として茶化したムーヴで、ノットフルコンタクトで観客と一体化するという実際シリアスな攻防をするであろう中で、試合に洒落を持ち込んで直線性を捻じ曲げようとしながら、ひとたびギアが入ればレスラーの技量に裏打ちされたたしかな一進一退のシークエンスを生み出すことができます。中盤のトレントの孤立シーンからチャック・テイラーのタッチ成功からの抑制を効かせながらもエモーショナブルの観客を煽れる、時代やレスラーの背景を洒落化してデフォルメ化する空間としての意義も十分存在しています。最後は彼らのスキル面を全面に出し、ザックの腕攻めの怒涛性をトレントが一発逆転の冴えたやり方で跳ね除ける様のサプライズ式の素早い幕引きにもまた驚かされました。好勝負。☆4

 

 

PWG Nice Boys (Don’t Play Rock’n Roll)

レイ・フェニックス&ペンタ・エル0M×リコシェ&マット・サイダル&ヤングバックス;PWGタッグ王座戦

PWGらしい馬鹿っぽい雰囲気とそれを切り裂く物凄いハイフライムーヴのラッシュ。飛び技の見本市でありながらも、互いのポージングで一進一退する馬鹿演出まで抜かりなし。☆4.25

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 レベルが違いますね。レベルが・・・。日本のプロレス界ではない真剣な対決の中にギャグの不真面目性を盛り上げへと昇華させ、そしてそこに広がるのは人知を超えようとするハイフライムーヴの一進一退。サーカスマッチにならないようにコメディリリーフで投入するルチャ陣営とヤングバックスのポージングだけの一進一退。ここはクドすぎてアレなのですが、こんなことをしながら一瞬んしてその雰囲気を切り裂く彼らのムーヴの破滅性と美麗さと滑稽さが見事にカオス化しています。好勝負です。☆4.25