記事の見出しには、インパクトのある表現で人を釣ったり、直接的な表現を避け曖昧さで推測させ興味を刺激させたりする効果を求められる。
でもぼくは見出しだけ見て大体は飛ばす。

 

にもかかわらず、『自民党青年局の会合に露出の多い衣装の女性ダンサーを招いていた問題 』についてを言えば、直接的な表現を避け、曖昧さで推測させ、興味をひいたりさせてる記事なんだろうなと思って、「ああ、それはマズイでしょ。政治資金を使って政治会合にストリッパーなんて呼んだら。なにやってんだ、もう。」と興味が沸いたので、読んでみると、なんだ単に肌の露出の多い衣装の女性ダンサーを招いていただけだった、とがっかりした。

 

制作中の妻のアトリエからYouTube配信で日本の報道番組が流れていた。台所でコーヒーを飲んでいると耳に入ってくるから、聞き耳を立てた。
「...、ダイバーシティをこう言う捉え方をしているなんて、相変わらず昭和感覚が抜けきっていないお粗末な政治家だ。」みたいな事を言って政治評論家が非難していた。

この問題の記事を知ったのは数日前だったので、なんか騒動になっていて、まだ続いているみたいで驚いた。
でも確かに、肌の露出の多い衣装の女性に興奮するのは昭和感覚なのかもしれないな、と己の性を恥じた。

 

でも、待てよ。
『今の人は肌の露出の多い衣装の女性に興奮しないのだろうか?』
と言う疑問も生じた。

 

そもそも、『ダイバーシティ』って何なんだろう?

 

最近の日本の記事だったり発言は、やたらと横文字が多くて、一応英語の基礎教育6年は受けたんだけど、ついていけない。

コンプライアンスとかハラスメントとかインフラとか、例えばだけど。

 

「制作中邪魔して悪いんだけど、『ダイバーシティ』って何? 『都市に飛び込む』って、前後の脈絡からしても全く意味不明なんだけど。」と妻に問いかけると、
「あ、それ違う。」と妻。「多様化って事。フランス語では『divers』、『diversité』と書きます。」

 

ああ、そのディベー、ディベーシテね。
やったやった、商品管理している時。カテゴリー化できない商品の区分けでその他に分類される、要するにバラエティーものね。
で、だからといって、いま問題にされている事とはなんなんだろう?

 

三杯目のコーヒーを啜っている時、
「分かった ! 分かったよ、わかった。」
と、脳裏になにかひらめいた。それで、つい大きな声を出してしてしまった。
「なによもう、びっくりするじゃない。」
「だから、分かったんだって。」
集中を諦めた妻は一旦制作を中断し台所に入ってきて、コーヒーをカップに注ぎ、ぼくの発言を聞く姿勢になった。
「だから、露出の多い衣装の女性ダンサーだけを呼んだのがまずかったんだよ。露出の多い衣装の男性ダンサーも呼ばなくっちゃイケなかったんだ。股間モッコリ男性ダンサーも呼ばなくっちゃイケなかったんだ。ビレッジピープル系グループは必然だったかも。
全く自民党議員片手落ちだったよな。黒木香やチッチョリーナも呼んだらよかったのに...」とまだ言い続けるつもりでいたけど、妻はコーヒーを片手に無言で去っていった。

 

ん、地雷踏んだ?