骨董の修復を任されていた頃、Lotsとか言って買い付けする責任者がいて、それはバラバラな状態の品々で一塊、言うなればガラクタ、をどうにかできないものか思案していて、顔だけ人形に上半身のボディーを紙粘土で作成し竹筒に入れかぐや姫を作った。後に老婆と爺さんを探し出し、これもまた多少修復を施し、何とか竹取物語の一幕を完成させ楽しんでいた。趣味的な感覚で仕事の合間に作っていたのに、スタッフがサロンに出品したのには驚いた。買う人がいた事にも驚いた。一体会社は幾らで売ったんだろう?

世間が何を求めているかが分からない。

それを解明するのが生涯の課題だ。自慢の作品は売れない。

 

 

 

 

梅ノ木、イチジクの木、野薔薇の木

 

多分ヨーロッパ西北部全般に言えることだと思うけど、冬は雨が多いから湿度が高い。

パリなんかは正にそうだ。パリに住んでないけど同じ気候条件で生きている。

気候条件は同じでも、生活環境が違うから表に出ると靴底が泥だらけになる。

だいぶ前のことだけど、パリの職場はガンガンと暖房がかかっていて乾燥していて、出勤してしばらくすると自分の歩く後に泥の足形がボロボロ落ちていて皆に嫌がられた。田舎もんが都会で、こういう時、生き辛らかった。

 

年が明けて、今年の抱負と言う程ではないけど、少しづつ庭の整理から始めようかなと考えていると久しぶりに晴れた。

晴れたので外に出た。

遠くの畑周りまで行くのはまだチョッと勇気がいるので(いつ雨が降り出すか分からないし、風も結構強かったし)前庭、通称キッチンガーデンに植えてある梅ノ木やイチジクの木や野ばらを剪定した。

 

正しい剪定の仕方は知らない。

どの木も丈夫でタフなのでバシバシ枝を落とした。

野ばらなんかはやくざな木で、放っとくと枝は好き勝手に伸び放題で棘が強烈で不意に目なんか突っつかれたりなんかして、危なっかしいったらありゃしない。

短く切った。

一般にどの木でも言えることだろうけど、短く切るとその反発か、やたら成長して余計手入れの頻度を上げる。今年も仕方のないことと諦めてバシバシ切った。

 

イチジクの木は熟していない果実がまだ枝に沢山付いていて、

 

 

どこかの誰かから「前年実を着けた枝からは当年果実を付けない」と見聞きしたので、切り落とし始めたが、よく見るとその枝の先にもう新芽が出始めている。なんだか心配になったから途中で辞めた。少し調べてから実行することにした。

 

隣の白薔薇は棘のない品種でちっとも困らない。剪定するには次期早々だろうとやり過ごした。

もう花を咲かせているのか、まだ咲かせているのか知らなかったけど一輪可憐に咲いていた。

かぐや姫のような憂いやつ。

 

 

予報では明日土曜日頃から寒波到来と言われている。

昨今薪の高騰でかなりの節約を強いられている。ここで大量に消費すると春まで足りるかなと思うと困った。

 

こういう時思うのは、日本の家電製造会社はもっとヨーロッパの電圧(250V)にあった布団乾燥機とか電気毛布とか電気絨毯を輸出販売すればいいのにと提案したいのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思って、アマゾンで探してみたら結構販売してるみたいで、でも電圧規格は明記されてないので不安だ。

そこんとこ、海外で生活している方々、よく調べてみた方がいいですよ。

 

追記

無造作に野薔薇と簡単に記述して済ませたけど、当然なんらかの説明があるだろうと思って調べてみたら、見つかった。以下がその説明。

L'églantier エグランティエー

とても生命力の強い野生のバラ、ローズヒップ。

バラ科のコモン・ローズヒップ(Rosa canina)は、ドッグ・ローズやヘッジ・ローズとも呼ばれ、高さ2~4メートルに成長する茂みのある低木です。アーチ状に伸びた茎には強い鉤状のとげがあり、中緑色の葉の縁には細かい歯があり、表面には強い脈がある。6月にひらひらとした花を咲かせる。花弁は5裂し、魅力的なピンクがかった白色。

この芳香*(1)のある芳情な開花は年に一度きりですが、2~3週間*(2)は続きます。

ローズヒップと呼ばれる真っ赤な卵形の小さな実をつけ、その果肉は食用*(3)になる。

ビタミンCが非常に豊富である。

ローズヒップの手入れはほとんど必要ありません。枯れ木を取り除き、余分な吸盤を取り除き、古い枝を定期的に剪定するだけです。剪定は、他の「年に開花は一度きりのバラ」と同様、7月*(4)の開花後に行います。

 

https://www.gerbeaud.com/jardin/fiches/eglantier,1477.html

 

以上が抜粋の翻訳であるが、*(1)「芳香」を嗅いだ事がないし、*(2)「開花は2~3週間は続き」とあるけど、いつも長くて精々1週間程度だった。*(3)「その果肉は食用になるがビタミンCが非常に豊富である。」のなら、さぞ美味しかろうと今かじってみたら、バサバサしてて味もそっけもなかった。ハッキリ言って生じゃ不味い。

*(4)今剪定しちゃってるけど、問題なく夏には花を咲かせる。