田舎に住んでいる。

 

最寄りの駅まで3km、車で行けば5分。スーパーマーケットcarrefour傘下のcarrefour marketまでやはり3km、まとめ買いするので自動車がないと困る。

 

そんな便利な自動車なのに、車検を通らなかった。

 

なんかcatalyseur(排ガスを浄化する装置らしい)が詰まってモーターランプが点灯してしまった。その部品を取り替えるだけで結構な出費なのでちょっと今その費用を捻出できない。

車は動くには動くんだけど、車検の通らない車を乗り回して検問で発覚するとまた罰金がかさむという負の循環に陥る。なによりも内にはそういう不正を嫌う潔癖な鉄の女性が目を光らしており、自動車の鍵を剥奪されてしまった。なんだか生徒会長みたいな女性である。(実際生徒会長をやっていたらしい。)

 

「車が無いと、不便だよなー」とか「もう遠出とかできなくなっちゃたなー」としんみり呟いても取り合ってくれない。あまりシツコク呟き続けると、

 

「修理費1700€(約30万円弱/現レート)、月々の保険料50€(約8000円/現レート)、燃料費1.9 € / L (約300円/現レート)、などの諸経費に加えてあなたのヤラカス罰金、それに内の車ってディーゼルでしょ、そのうちフランスでは廃止されるわよ!この車を維持し続ける正当な理由って何?  あるの、ないの、まず2択に答えて!」

 

と、最近youtubeで見聞きするような論法で押しまくられる。そういえばyoutube画面右のリストに論破っぽい人たちの動画が並んでいるから、こりゃ相当影響を受けてるな。

 

車を使わなくなってほぼ一ヶ月半。確かに生活習慣は変わった。

 

まず、歩くようになった。

 

パンを肉を魚をチーズやソーセージを買いに行くにも町の中心街朝市まで週往復1時間はほぼ誰ともすれ違わずに歩く。

野菜は家でも作っているけど、近所の農家で直売しているからそこで買う。卵もそこで買う。

足りないものがある時は、リュックを背負って3年前に直した自転車でスーパーマーケットまで飛ばす。

注文もソーシャル・ネットワーク・サービスが整いつつあって、重たい商品は宅配サービスで最寄りのスーパーが配達してくれる。

 

確かに、妻が言うように車が無くてもそう不便さを感じないかもしれない。便利さとういより単なる個人的趣味みたいなものに囚われていたのかもしれない。まあ、これで健康が維持できればと、車を修理できない事の、負け惜しみみたいに自分に言い聞かせているだけなんだけど。