前日までまだ夏の余韻を残すような空気の秋晴れが続いていたのに、日曜目覚めると外気が違っていた。こうやって歩幅の広い階段を下っていくように秋は深まり冬に突入するのだろう。

 

胡桃拾いに出かけた。

 

広大な畑の中の小路の脇にそびえる胡桃の木から実が落ちて散らばっていた。身の丈以上のとうもろこし畑の方にも散らばっていた。しゃがんでせっせと拾っていたら、遠くで犬が吠えるのとほぼ同時に二発の銃声が響き渡った。

 

猪と間違われて打たれちゃ困るから慌てて畑から這い出した。

 

たった二発の銃声でも、こんなにも怯えてしまうのである。でも、まだ幸せである。