そう言えばもう一月以上前のことであったと思う。
ある日、雨が上がって車が汚れているので驚いた。
普段なら雨水で埃が洗い流されるはずが、埃を被るのはどうもおかしい。
近所で家を建てているので、彼らが煉瓦を削っていて、その時の粉が飛び散ってきたと思っていた。
冬の終わりを感じて、もう外に出しても大丈夫だろうと出した檸檬の木の葉にも黄砂が被っていた。ベンチにも被っていた。被害と言うほど大袈裟なものではないけど、田舎に住んでいて都会の様な埃を被るのは嫌である。
「本当にもう、チャンとカバーして工事を進めてほしいものだなあ。」とチョット憤慨していた。
車を洗車場に運ぶと、行列が出来ていた。1台10分掛かるとすると、こりゃ2時間は待たされるな。そう思ってその日は諦めた。にしても、どうしてこんなに洗車を待つ車が多いのだろうか。
数日経っても洗車場は混雑していた。「これはちょっと変だぞ。」とようやく異変に気がついた。
そのことを娘が来たときに話すと、
「サハラ砂漠から雲で運ばれた砂らしいよ。」と言う。
「サハラ! サハラってアフリカだぞ。そんな遠くから来るわけが無い!」と反論したら、
「珍しいことじゃないらしいよ。」と平然としている。
「珍しいことじゃない」なんてあるものか、珍しすぎるだろ、大体40年も住んでいて初めて聞くことだ。
すると娘は、それはぼくが「人の話を上の空で聞く癖がある」だの「同じ質問を何度もする」だの、挙句「ちゃんとラジオ聞きなさい。」「解らない単語があったら辞書で調べなさい。」と説教されてしまった。まったく藪蛇であった。
2022年3月26日(土)から4月1日(金)までのヨーロッパ上空の砂塵濃度の推移 - NASA GOES 5 via meteociel.comによるデータ。
調べてみるとまったくその通りであった。
いや、本当に地球っていうか自然っていうか、それがスゴイ。