今年も薪が届いた。

 

 昨年と同じく10ステールの量である。道に無造作に放置された薪を薪置き場にならべ直す作業を続けている最中、秋晴れの上空で鳶がピーピー鳴きながら旋回している。

 鳶の鳴き声は容姿に似合わず仔猫のような鳴きかたをする。前に一度、親に見捨てられたかした仔猫が森で迷っているのだろうと声を頼りに随分探したことがあった。とんだ勘違いであった。