人類には知恵がある。

 長い人類の歴史で幾度も繰り返す失敗の経験から知恵を振り絞り困難を乗り越えてきた。

 

 アイザックニュートンという人がリンゴが木の枝から落ちるのを眺め、「地球はぐるぐる回っているのに物質は何故遠心力で飛び散ってしまわないのだろう?」という疑問を、本当かどうかは知らないが、抱いたという。そして、引力という説明を数式であらわしたらしいから皆納得してしまった。人は得てして数式で表されたものを信じ込む傾向がある。時の知識人が彼の偉大な発見を納得し、それが1970年代日本の中学校の先生にも受け継がれ生徒にその通りだと教え込んだ。高校に入ると「いや、あれはちょっと違って、アインシュタインという人がそれは空間の歪みからくるものだ、という理論を打ち出した。(たぶん)」と言う。なら最初からそう教えて欲しかった、と当時そう思ったものだったけど、どのみち良く分からないから今となってはもうどうでもよいことである。

 ただ、天麩羅を揚げていて衣をつけた海老を油に落とすと皆くっ付こうとする。「おお、これが万有引力(たぶん)!」と今、感動することはある。

 

 ぼくも人類の端くれなので、ほんの少し知恵を絞ってみる。なんとしても干瓢のことで。

 

 干瓢ふたたび。

 

 人体に害を及ぼさず殺菌効果を得られる物は何か?

 

 先人の知恵は偉大である。「梅干し、沢庵、ぬか漬け、〆鯖、数の子…、 古くから保存食には塩と酢が用いられてきたではないか、と言うことに気がついた。

 

 そこで、桂剥きした皮を干す前に今度は「一旦塩水か酢水に浸してみてはどうだろう?」そう思った。塩分濃度は適当であるが、浸透圧を利用して細胞内の水分の減少を期待し30分程度浸した。次いで殺菌を目的として更に6%の食用白酢をまぶした。

 

 天候 「晴れ。気温摂氏22℃。湿度データーなし。風通し比較的良し。」 この環境で一昨々日から干し始めてみてはいる。