新月の三日月  (「増える」という意味にも使われる)
 
 年を越して6日も過ぎると年末年始の高揚はもう収まり、戻ってきた極当たり前の日常は、
当たり前の日常と言うより、寂しさや侘しさの増加した日々、そんな印象を受ける、言わば放心した状態でしょうか。
 それは暗く、寒く、湿った冬の所為でもあります。

 冷蔵庫の中も、買い置きしておいた食材は底をつき、かつての日常に戻って空の環境で、献立を考える選択肢は皆無という状態です。

 それでも奥にパイ生地を見付け、以前紹介した「アペロ」を作ろうと思いましたが中に入れる具は見当たりません。チーズもベーコンもマッシュルームも何一つ残っておりません。
 更にパイ生地の消費期限を見ると2020年11月26日となっております。
 
「これは、流石にヤバイかな。」
 
 とは思いましたが、封を開け匂いを嗅ぐと異常は感じられないし、生地に黒い斑点も現れていない様だったので、まあ大概「防腐剤」は使っているでしょうから、大丈夫と見越し、残っていたバター一かけらと砂糖を振りかけ、薪オーブンで焼きました。

 でも、これとワインが晩飯と言うのは、やはりマズいでしょう。
 
 明日は買い物に行かなければなりません。