marron glacé

栗甘納豆
 
 酒飲みのくせに甘党だと言われる。
 酒の摘まみに甘いものは嫌だけど、確かにシラフの時は甘いものをよく欲しがる。
 
 マロン・グラッセは意外と高価な甘菓子である。ぼくごとき庶民が気軽に手を出せる代物ではない。
 
 一粒幾らで取引されている。あるいはグラム幾らで売られている。一体一粒何グラムで幾らなんだろうと思ったから、ネットで調べてみた。
 どうも老舗らしい Clement faugier では 180g で 23.50 € する。
 スーパーの Carrefourに置かれてあるらしい DOUCEURS PROVENCALESで  9 個160g で 12.60€ 。
 他にもいくつか調べ大体 250g で 40€ であった。
 一粒何グラムか見当もつかないので、カルフールのを手本にそのものを基準にすると、18グラムくらいになる。すると、
  • カルフールのものは一粒 1.4 €
  • Clement faugierでは一粒 2.35 €
  • そのほか有名メーカらしきネット通販では、平均 一粒 2.89 €
と言う結果が出た。とても高価だ。
 
 それを、昨夜、箱に入っていたものを半分くらい食ってしまっていた。
 何故そんな高価なものがこのうちにあるのかと言うと、何故だろう?
 気が付くと台所のテーブルの上に見かけない箱を発見したので、開けてみるとそのお宝があったのである。
 夜中にパソコンで、自称仕事をしているときに、甘納豆のようにむしゃむしゃと食ってしまっていた。
 美味いけどマズいな、𠮟られる。

 甘納豆は庶民の甘菓子である。
 そう思っていて、今調べてみたら、結構な値が付けられていた。
 甘納豆も庶民のものではないことが分かった。
 
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 フランス語で「栗」を表す単語は「châtaigne:(シャテンニュ)」と「marron:(マロン)」があります。 その違いが長年よく分からなかったので、これを機に調べてみました。
 
  • châtaigne:(シャテンニュ)はchâtaignier(シャテニエー)と言う木になる実の事を言い、これがいわゆる「栗」です。
  • 「marron:(マロン)」は、と言うとやはり栗の実です。辞書やネットで調べても、大雑把に言うと違いがないようなのです。
 どういう使い分けをしているのか、気になったのでフランス人の知り合いに確認の為電話をかけて聞いてみました。
 
「実が大きく丸いのがmarron:(マロン)で、平たくて皮が剥きにくいのがchâtaigne:(シャテンニュ)だけど…、ちょっと今この忙しい時に、それ訊く? 今度にしてくれない。」
 
と迷惑がられました。
 多分知らないのだと思います。フランス人だからと言ってフランスのことを何でも知っていると思ったら、それは間違いです。
 私たち日本人が日本の事を何でも知っていると思われたら、それはそれで困りますし。
 
 結論としては、使い分けは「勘」ということで。

 Marronnier:(マロニエー)と言う樹木があります。パリの街の街路樹にも使われ、春になると白色かピンク色の小さな花を咲かせます。
 秋にイガの中に栗と同じ形態の実を付けます。この実をmarron:(マロン)と呼んで然るべきところ、そういう記述は今のところ見当たりません。
 マロニエ―の実は人体に有害物質を含んでいるらしく、食べられません。食べられないものに一々名前を付けないのかもしてません。
 
 マロニエ―には別名称がいくつかあるようですが、「(くそったれの)嘘栗の木」と言う別名を見付けました。多分、間違えてこの実を食べて、ひどい目にあった人が命名したのだと思いますよ。
  • châtaignier(シャテニエー)   栗の木 ブナ科クリ族
  • marronnier(マロニエー)     セイヨウトチノキ