写真はCour du Commerce Saint André. Odéon : オデオン、メトロ4号線と10号線の利用駅、界隈
レベイヨン::徹夜
徹夜と言っても、年に2回の徹夜である。
クリスマスイヴからクリスマスにかけての徹夜、と大晦日から正月にかけての徹夜に用いられる言葉。それ以外では、どうも使われない様だ。
なので「明日の、試験勉強でレベイヨンしちゃったぜ。」とは使われない。
徹夜の貫徹ではないので、日を越し、しばらくすると寝る。夜更かしとも言える。この夜更かしには何をするかと言うと、
- クリスマスイヴからクリスマスにかけての夜更かしは家族で食ったり飲んだりするらしい。
- 大晦日から正月にかけての夜更かしには友達と食ったり飲んだりするらしい。
- 大晦日の夜更かしには、毎年、車が焼かれる。2019-2020のその日はフランス全土で1457台焼かれたそうだ。道に車を置きっ放しはとても危険である。
クリスマスの朝10時、普段はにぎわうこの界隈も、人々の一斉の夜更かしの所為か、ひと気がない。新型コロナの影響も、もちろんあるかもしれない。
35年ほど前、6年間この界隈に住んでいた。
カルティエ・ラタンと呼ばれる地区。大学が多い学生街。
なぜ「ラテン地区」と呼ばれるのか?ネットで調べてみると …結構説明長いな…
かいつまむと、
「16-17世紀当時、教育の中心がここで、高等教育を受けていた学生の必修言語が「ラテン語」で、見栄っ張りなインテリが日常でもラテン語をしゃべっていたから、ラテン区と呼ばれた。」と多分こういうことだろうと思う。
間違っていたらごめんなさい。
ぼくはこの近くの美術学校に通っていた。
パリは変わらない。
ぼくが今見る景色と、35年前に見た景色。
ちょんまげを結ったお侍さんが万博で見た景色も、そんなに違いはなかったんじゃなかろうかと、思う。
この辺に住んでいた頃、よく有名人を見かけた。
イヴ・モンタンにあった。ダニエル・オトイユにあった。
高倉健さんも見かけた。思わず、「あっ、健さんだ。」と叫んでしまったら、はにかんだように微笑んでくれた。
小澤征爾さんとすれ違った。蚤の市で買った20世紀初頭の古いスキー板と竹のストックを担いでいる時で、じっと見つめられた。
娘をここに迎えに来て、しばらく待つ間、思い出に耽った。
この近くに、オデオン座(新古典主義建築の国立劇場)があります。