ざわつくワタシの今を確かめに

少し足を延ばして"春"を見に。


ここに初めて来たのは

ブログを始める少し前の春。

扉を探して彷徨って

偶然たどり着いた場所。

あの春ここは何もかもが満開だった。


涙が出てくるくらい

満開で綺麗で眩しくて、春の香りもした。

「満開だよ」とあの人に教えたくなって

電話を掛けようとして。

(あっもう電話しちゃいけないんだった)

と気付いて。

これから先、綺麗な景色に出会っても

一緒に見ることも教えてあげることも

二度とないことが染みたあの春。



しばらくは綺麗な景色や

不思議な雲とか見つけると

(あのね)って心の中で話し掛ける癖が

直らなかった。



今年も満開だった。

きっと、この場所はあの春から変わらず

綺麗で眩しかったのだと思う。

ずっと変わらずに。


多分あの春と同じ景色が

ワタシの前に広がっていたけど。

涙は流れないし

誰かに伝えたい教えたい景色では

なくなっていた。

扉も見つけられなかった。


今のワタシには

黄色と桜色と空色があるだけだった。


今のワタシを確かめる目的は果たせたけど

分かっていたけど、残念な春。

そうじゃない。残念なのはワタシ。