携帯はうるさいから切っていた
どちらからともなく
手を繋いでいた
黄と赤の点滅する信号機の
三叉路
薄明かるいアスファルトに
二色を交わることなく
放っては引き戻す
右も左も海沿いの道
ジャンケンをして
ケンが勝ったから
右へ進んだ
不安はなかった
ふたりして早起きして
散歩してるような
気楽さだった
寒くも暑くもない
朝
埃を落とした空気は冴えていて
眠気を飛ばしてくれた
そのとき
後ろから一台のセダンが
近づいてきた
「2018年1月29日」
Poem is koichi tanaka kagoshima.