私が調停の書記官宛に出した、書面の中に入れた「質問」の話です。

 

それは、申立人(=保険会社の弁護士二人の連名)が調停に出した”民事調停申立書”に、”申立人”として、加害者の名前と、✕✕✕✕✕✕✕✕保険株式会社 代表取締役 『✕ ✕✕』の名前が明記されていたことに起因するものです。

 

『✕ ✕✕』氏と云えば、業界の名士であり、保険会社の帰属する旧財閥系コングロマリットの重鎮です。

 

将来が約束されたキャリアであり、東大の経済学部卒の秀才。

 

 

申立人に、『✕ ✕✕』氏の御名前と社判が捺されていたのです。

 

無論、意味することは✕✕✕✕✕✕保険株式会社の代表として、便宜上、名前が載っているだけでしょう。

 

『✕ ✕✕』氏が、この交通事故を知っているとか、申立書に関与している筈はないでしょう。

 

しかし、裁判所からの申し立て(=相手方弁護士の申立て)に申立人の一人として、『✕ ✕✕』氏の名前があるという事は・・・・

 

 

 

私は、『弱い者いじめ』は大嫌いですが、裏を返せば、『強い者いじめ』はスキなのです。

 

向こうが強ければ強いほど、ヤル気が出てきます。

 

 

ハナから承知ですが、調停に敢えて『✕ ✕✕』氏はこの事案に関与しているのかという質問を出していました。

 

調停委員の説明は、(当たり前ですが)『✕✕✕氏の名前があるのは形式上』と云う返事でした。

 

 

しかし、便宜上だろうが、形式上だろうが、✕✕✕✕✕✕保険株式会社の代表取締役である『✕ ✕✕』氏が私どもに”申し立てている”という事は、その書面で明らかです。

 

 

そこを確認した私は、調停委員に下の事を「相談」という形で言明しました。

 

 

 

「保険株式会社の代表取締役である『✕ ✕✕』氏と加害者を相手方として、警察に”被害届”を出すことを選択肢の一つに入れているのですが・・・、証拠として録音や文書もあることだし・・・」

 

 

 

(✕✕✕氏に恨みはないですが、以前から狙っていた私の『ブラフ』と云うか、戦術のひとつでした)

 

 

 

 

 

 

 

調停委員の一人が口をあけました。

 

(私としては、先に私が書記官に送った文書と参考資料の束を見てもらえたかどうかが、まずは気になっていました。)

 

 

調停委員の話した要旨は・・・

 

・(私の送付した書面は)見たということ。

 

・調停は”裁判”ではないので司法判断はしない。つまりは言い分もあるだろうし、ハラも立っているだろうが、調停は解決に向けての話し合いをする場であり、双方とも歩み寄るべきだということ。

 

・事故や、その後に起きた事などの有無や、是非を争う場ではない。

 

 

大雑把に云って以上ですが、始めに被害者当人である中学生の息子を心配する言葉をいただき、私どもの苦労も察し、労わる言葉を戴きました。

 

まぁ相手はプロですから、その辺はソツがないのかも知れませんが、(今までの事がありますので)とても嬉しかったです。

 

 

 

実は私は、送付した書面の文中に、ひとつの質問を入れておきました。

 

その質問の答えが聞ければ、『全部読みました』という言葉は、ある程度信用できると想定していました。

 

 

何しろ送った書面と添えた資料は、厚さ3センチです。

 

我ながら云えば、素人の域を超えた量です。

 

それを専門家である調停委員がまともに読んでくれるか、一抹の不安があったのです。

 

 

そして調停委員は、自らその質問にも応えてくれました。

 

つまりは、彼らは私の主張を書いた書面を読んでくれたのは確かで、私としてはそれだけで目的の半分は達成したと感じました。

 

『読むのは当たり前じゃない?』と思うかも知れませんが、そうとも言えません。

 

何故なら、書面はA4で40ページ以上で参考資料と証拠も多く、そうとう時間を要します。

 

現に保険会社の”担当者”たちは、『読んだ』と言いながらまともに呼んでいなかったし、今まで相談した弁護士たちも、(時間が限られているとはいえ)多くは斜め読みさえしなかったのです。

 

 

ところで、私の「その質問」とは何かですが、長くなりましたので次回とさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

民事調停の呼出日、平成3011月✕日朝、私ども(=両親)は✕✕地裁のドアの向こうに入りました。

 

金属探知機をくぐり、指定された”相手方待合室”で待ちました。

 

先客は無く、ガランとした広さを感じました。

 

(この部屋が混みあう事はあるんだろうか?)

 

 

 

これから起こることが、どういう段取りか想像しながら待っていました。

 

指定時間が過ぎてすぐ、掛かりの方(調停委員の一人)が呼びに来て、調停室に入り着席しました。

 

直ぐに調停委員が3人(男性二人、女性一人)来て、向かいの席に着席し自己紹介を受けました。

 

 

緊張はしていましたけど、私どもは悪い事は何もしていないのです。

 

むしろ『悪い事』をされた方なわけで、一片の疚(やま)しさもあるわけ無く、これから起こることは楽しみでさえありました。