相続税改正から考える私有財産の重要性[HRPニュースファイル1294]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2063/

文/HS政経塾4期生 幸福実現党・大阪本部副代表 数森圭吾

◆2015年 相続税の増税

2015年1月1日、改正相続税がスタートしました。今回の改正における大きな変更点は基礎控除額(非課税枠)の縮小です。

従来の相続税は基礎控除額が大きかったために、「一部の資産家のみに課されるもので、一般庶民には無縁の話」と思われている方も多いのではないでしょうか。

従来の基礎控除額の算出は「5000万円+(1000万円×法定相続人数)」。たとえば、夫婦と子供2人の世帯で世帯主が亡くなって相続が発生すると、法定相続人は、世帯主の配偶者と2人の子供の3人で、基礎控除額は8000万円となり、家・建物、現金、預金、株など遺産の合計が8000万円以下なら相続税はゼロとなります。

しかし、今回の改正において基礎控除額が「3000万円+(600万円×法定相続人)」に引き下げられました。

相続人が配偶者と子供2人の場合、基礎控除額は4800万円。これは土地や家を所有し、退職金を得た一般的な多くの人が課税対象となる額ではないでしょうか。

◆課税対象者の倍増

財務省の発表によると、今回の改正によって相続税の対象者は1.5倍に拡大すると言われていますが、特に東京や神奈川など地価の高い地域においては深刻な問題となりそうです。

2014年の1年間では、都内で亡くなった方のうち、約9,400人(9%)が相続税の課税対象となっていましたが、改正後は約19,700人(19%)と倍増する見込みです。

◆相続税の課税根拠

憲法第29条第1項は「財産権はこれを侵してはならない」と規定して、財産権を保障しています。つまり相続税を肯定するには、国家が財産権をどこまで制限することが可能かということが問題となります。

過去の政府税制調査会(内閣総理大臣の諮問に応じて、租税制度に関する基本的事項を調査審議する審議会)が示す相続税の課税根拠を要約すると、大きく以下のようなポイントがあげられます。

(1)富の集中排除(富の再分配)
(2)資産引継ぎの社会化
(3)所得税補完・故人生前所得の清算課税

(1)は豊かな人の財産を貧しい人に分け与えることで格差を是正するのが目的です。
(2)は近年は核家族化が進み、社会保障に頼る人が増えているため、資産を社会に戻すべきだという考えが前提となっています。
(3)は故人が生きているときに取れなかった税金を相続のときに取ろうという考えが前提となっています。

(1)、(2)は平等の精神が基盤となっており、(3)は財源確保の狙いが根底にあると考えられます。

しかし、この相続資産は「私有財産」です。

今回の改正によって相続税の最高税率も50%から55%に引き上げられましたが、これは個人が働きながら所得税などの税金を真面目に納め、その結果残った私有財産の半分以上を、さらに税金として納めなければならないケースが出てくるということです。

これは「二重課税」という意味で問題であると同時に、重い相続税を課すこと自体が、私有財産を否定する考え方であると言えます。

◆私有財産の重要性

20世紀を代表する自由主義の思想家であり、自由主義経済学の大家であるフリードリヒ・ハイエクは以下のように述べています。

「私有財産制は、財産を所有する者だけでなく、それを所有しない者にとってもそれに劣らず、最も重要な自由の保障である」

「私有財産を持っている人が自由なおかげで、私有財産を持っていない人まで自由でいられる」

歴史的に、社会主義国などでは私有財産は認められず、国家が強大な権力を持ち、個人の自由や経済活動が制限されていました。

このような恐ろしい権力を国家や官僚に持たせないために、私有財産が必要であるとハイエクは述べています。個人が自由な経済活動、自由な生活を得るためには私有財産の肯定が不可欠なのです。

◆重税路線からの脱却を

日本の相続税は結果の平等に重きを置き、格差是正のためという建前で、二重課税の問題にふれることなく国民から税金を巻き上げているというのが実態と言えます。

これは日本が実質的に、私有財産を認めない社会主義的な構造に陥っていると言えるのではないでしょうか。近年「格差」の問題が多く取り上げられています。確かに戦後日本は経済成長のなかで格差が広がったのも事実ですが、国民全体の生活水準は明らかに数十年前と比較して向上しています。

日本政府は安易な平等に陥ることなく、重税路線から脱却し、真剣に経済成長を目指すべきだと考えます。「豊かな者はより豊かに、貧しき者も豊かに」というように、国民の財産を増やすことこそが日本再生への道ではないでしょうか。
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【本日のニュースクリップ】
1.トヨタ・JA愛知と農業事業で連携 「攻めの農業」の先駆けとなるか
2.新発見のブラックホールで定説に疑問 その先には「別の宇宙」が?
3.300メートルで息切れの私がフルマラソンに挑戦するまで(1) 走る人は「デキる」人?



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◆トヨタ・JA愛知と農業事業で連携 「攻めの農業」の先駆けとなるか
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9288

トヨタ自動車はこのほど、JAグループ愛知と連携し、自社が開発したコメ生産農業法人向けの農業IT管理ツール「豊作計画」を、2015年3月より愛知県内の組合員農家に導入すると発表した。

同システムは、田植えや除草など、農家の作業計画の進捗状況をパソコンで管理するもの。自動車づくりで培ったトヨタ流の「カイゼン」を応用し、コメの生産性を高める。トヨタ社員が週3日程度、現場で指導するという。

JAなどの地方の農業組織が、企業との連携にこれほど積極的な姿勢を表すことは珍しいとして、注目を集めている。


◎企業と農家の連携で双方が収益を拡大

企業が農業に参入する際、本業での経験や強みを農業の分野に応用できる利点があるが、生産ノウハウの習得や優良な農地の確保といった課題に直面する。これに対し、既存農家は、生産ノウハウや耕作に適した農地を有する一方で、合理的な経営スキルの獲得やビジネスモデルのイノベーションに苦戦している。

企業と農家が連携して相互の強みを補完し合えば、共に収益を拡大することができる。


◎岩盤規制の緩和と時代遅れの農政の改革を

しかし、時代遅れの農地法などの農業政策が、両者の連携を阻んでいる。

例えば、農地の売買や賃貸借などの権利移動には、すべて農業委員会の許可が必要となる。農家以外の個人や企業が農地を確保し、農業に参入するには高いハードルがある。

農政改革の必要性は長らく叫ばれていたものの、大きな変化が見られなかった。農業関連の規制は、いわゆる「岩盤規制」のひとつ。安倍政権は「農協、農業生産法人、農業委員会」の三つをセットで改革し、規制緩和のドリルを入れようとしている。実際、農協の上部組織(JA全中)に改革を促すなど、一定の成果も見せている。しかし、課題はまだ多い。小規模農家を保護する圧力に反対され、改革には困難がつきまとうだろう。


◎「貧農史観」を打ち破り国際競争力のある農業へ

日本の農業は、農業従事者の高齢化や後継者不足、兼業農家の増加に伴う耕作放棄地の増加、農家の経営ノウハウやイノベーションマインドの不足など、数々の問題を抱えている。TPP論争で度々言われているような「農業は保護しないと潰れてしまう弱い産業だ」という日本の「貧農史観」も、こうした諸問題の解決を遅らせ、日本の農業の成長を妨げている。

しかし、世界的に見ても日本の農業は最高の技術を持つ。日本の農産物は味も見た目もよく、適切にマーケティングをして国内外に販路を開けば、無限に成長する「金のなる木」になる。世界人口が増大の一途をたどる今、たとえば日本で従来は捨てられてきた、形の悪い農作物を途上国に輸出することで、世界の食糧問題の解決にも貢献できるだろう。

やはり、大胆な規制緩和によって、企業や団体、個人まで含めて、やる気のある人間や組織が、新規に参入しやすい環境を作るべきだ。異質な産業の融合によってイノベーションを起こし、日本の農家の目を世界に向けることで、国際競争力の高い未来産業に変えていくことができる。今回のトヨタによる愛知農家の「カイゼン」が、その一歩となるかもしれない。(真)

【関連記事】
2015年2月10日付本欄 本業で稼げる農協を JA全中の指導権限廃止へ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9186

2014年12月6日付本欄 TPP交渉参加で農業はむしろ発展する 一貫して参加を訴える幸福実現党の先見力 【衆院選】
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8865

2014年7月19日付本欄 ローソンが戦略特区で農業に参入 規制緩和で「稼げる農業」を育てよ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8147

2014年6月26日付本欄 新成長戦略は規制を「やや緩和」? さらなる市場原理の導入を
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8063

2014年6月9日付本欄 国際競争力を高める農協改革を! JA全中の廃止容認へ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7967

2010年8月号記事 人生の羅針盤 農業の未来をクリエイトする
http://the-liberty.com/article.php?item_id=64



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2007年、世界であがった「対日非難決議」の教訓[HRPニュースファイル1293]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2061/

文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩

◆米国で中国の「抗日連合会」が仕掛けた反日工作

現在、米国では複数の「慰安婦像」が建てられ、反日感情の象徴になってしまいました。こうした土壌は、2007年、つまり第一次安倍政権の時につくられました。

もしこの時に、「慰安婦」に対する誤解を日本が世界に発信していれば、「慰安婦像」も建っていなかったのではないかと考えます。

2007年4月にアメリカ政府の「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)」は、8年の歳月と30億円のお金をかけてナチスの戦争犯罪について大規模な調査結果をまとめました。

この調査は、もともとはナチスの戦争犯罪を検証するプロジェクトだったのですが、実はこのとき中国系の反日団体である「抗日連合会」が米国政府に働きかけをし、日本の戦争犯罪も一緒に検証してほしいと要望したのです。

◆米政府――日本の慰安婦問題調査で「奴隷化」の証拠発見されず

その結果をIWG委員長代行のスティーブン・ガーフィンケル氏が議会向けに、最終報告書として提出しました。

調査対象となった未公開や秘密の公式文書は計850万ページで、そのうち14万2千ページが日本の戦争犯罪にかかわる文書でした。

「いわゆる慰安婦プログラム=日本軍統治地域女性の性的目的のための組織的奴隷化」にかかわる文書には、「日本の官憲による捕虜虐待や民間人殺傷の代表例が数十件列記」の報告がありましたが、しかし慰安婦関連は皆無だったのです。

【参考】米政府の慰安婦問題調査で「奴隷化」の証拠発見されず…日本側の主張の強力な後押しに
(2014/11/27産経)
http://www.sankei.com/world/news/141127/wor1411270003-n1.html

スティーブン・ガーフィンケル氏は、中国系の「抗日連合会」に対しても日本の慰安婦にかかわる戦争犯罪や「女性の組織的な奴隷化」の主張を裏づける米側の政府・軍の資料は一点も発見されなかったことを謝罪し、以下のように報告しました。

「アメリカの資料の中から日本の戦争犯罪に関する大量の資料が出てくることを期待していた方々(「抗日連合会」)は、失望するでしょう。私は2001年に抗日連合会の人々と面談し、この件に対する(日本の戦争犯罪に関する資料を探してほしいという)思い入れの深さを知りました。」

「抗日連合会の目的は、戦時において大日本帝国の統治下にあったアジア地域における戦争犯罪を世に伝えることです。私は彼らに対して、IWGがアジアにおける戦争犯罪に関する資料を探すために努力し、入念な調査をしたことに疑いの余地がないことを言っておきたい。」

「IWGがアジア戦域における日本の戦争犯罪に関する資料を見つけることができなかった理由は、そのような機密文書が存在しなかったからです」と。

結局、米国は中国系の抗日連合会の要請を受けて、8年間、クリントン政権、ブッシュ政権、民主党・共和党政権を挙げて、日本の戦争犯罪の証拠を調べたわけですが、日本の慰安婦問題に関する戦争犯罪を示す資料はまったくなかったのです。

◆慰安婦問題を覆せなかった日本政府

本来であれば、この2007年4月に出された報告をアメリカ政府もマスコミも大きく取り上げて然るべきでした。そして日本政府も日本のマスコミもしっかりとこの結果を内外に知らせるべきでした。

なぜならば、この3カ月後に中国系や韓国系から献金を受けていた日系人議員のマイク・ホンダ氏が議会攻勢をかけた結果、アメリカ下院が日本の慰安婦問題を取り上げ、対日非難決議を上げてしまったからです。

しかし、朝日新聞の誤報に端を発する国際的な誤解が広がってしまったこともあり、その後アメリカのみならず、様々な国が対日非難決議をあげました。

アメリカが2007年7月の下院決議で対日非難決議を上げると、オーストラリアが2007年9月、カナダが2007年11月、オランダが同じく11月、欧州連合EUが12月、フィリピンが2008年3月、台湾が2008年11月と、次々に世界で対日非難決議を上げたのです。

こうして「慰安婦問題」は、日本がきちんと反論して来なかったために、国際的な誤解は取り返しのつかないところまで来てしまったのです。

◆今年「南京大虐殺」で日本を国際的失墜に追い込もうとしている中国

戦後70年の今年、中国は「南京大虐殺」をネタに、「南京大虐殺」をユネスコの記憶遺産へ登録申請しています。登録されるかはユネスコが7月頃に決定します。

実は2月10日(現地時間)、パリのユネスコ本部を「幸福の科学」の武川一広・国際広報局長が訪問、中国の南京大虐殺のユネスコ記憶遺産事務局に登録の中止を求める申し入れを行いました。

幸福の科学がユネスコに「南京」「慰安婦」の記憶遺産登録の中止を申し入れ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9199

いまのところ日本政府は、ユネスコに対して明確な抗議の声を申し入れていません。

このまま中国が申請した「南京大虐殺のユネスコ記憶遺産登録」が認められてしまった場合は、「慰安婦問題」と同じように、今度は「南京大虐殺」の濡れ衣を着せられ日本は国際社会で信用を失ってしまいます。

こうしたことを避けるためにも、是非、下記署名のご協力をよろしくお願いいたします。
●「南京大虐殺」「従軍慰安婦」のユネスコ記憶遺産への申請に抗議し 日本政府に万全の措置を求める署名
(3月24必着)
http://info.hr-party.jp/2014/3159/
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