クリミア危機の行動から紐解くロシアに対する適切な「視点」[HRPニュースファイル1154]

http://hrp-newsfile.jp/2014/1763/

文/HS政経塾4期生 西邑拓真

◆ロシアの行動原理を知る必要性

クリミア危機における、ロシアの一連の動きについて、以前、アメリカのヒラリー・クリントン前国務長官は、「ロシアの今の行動が当時のナチスの行動と似ている」として、プーチン大統領を「ヒトラーのようだ」と指摘しました。

確かに、ロシアによるクリミア編入は、ウクライナ国内のロシア系住民の保護を理由としており、ナチスがゲルマン民族の保護を理由に周辺国に介入していった動きと軌を一にしていると見えなくもありません。

一方で、クリミア編入やウクライナ東部でのロシアの動きは、ウクライナにおいて、ヤヌコービッチ政権に対する反政府デモが生じる前は確認されていたわけではないことからも、単にそれらを「侵略的行動」と必ずしも断定できないと言うこともできます。

また、バランス・オブ・パワーの観点から見て、特に、昨今の中国の軍事的拡大は、日露両国にとって大きな脅威になっているのは周知の通りです。そこで、望ましい日露関係の構築を進めていくためにも、今一度ロシアの行動原理というものを明らかにしていく必要があると思われます。

◆「リアリズム」とは何か

ミアシャイマー(2014)は、「ウクライナ危機は、国際政治では依然としてリアリズムが重要であり、それを無視すれば大きなリスクに直面することを物語っている」と指摘しています。

リアリズムにおける、国の最終目標は「自国の生き残り」です。世界は「無政府状態」の中にありますが、諸国家はこの最終目標を達するために、与えられた情報を駆使して、バランス・オブ・パワーを調整し、それを自分たちに有利な方向へ変化させていきます。これがリアリズムの立場です。

◆地政学上のウクライナの位置づけ

ところで、地政学上、ロシアにとってウクライナは、どのような位置づけにあたるのでしょうか。

1812年のナポレオンのフランスによるロシア遠征、1916年のドイツ帝国などからなる中央同盟諸国軍によるロシア帝国へのブルシーロフ攻勢、1941年のナチス・ドイツによるバルバロッサ作戦など、西欧諸国によるロシアへの攻撃の際、ウクライナは「横切る必要のある国家」として捉えられています。

これらの事柄からも、ウクライナは、ロシアにとって重要な緩衝国家に相当すると述べることができるわけです。

1990年以降、NATOは東方へ拡大し、NATO加盟の布石と位置付けられるEUも拡大を続けています。また、ウクライナに欧米の価値観を浸透させ、同国をロシアから引き離すための民主化促進に対し、欧米が資金援助している実態も指摘されています。

こうした背景の中で、2013年、ヤヌコービッチ前大統領がEUとの間で連合協定の締結を行わないことを機に、ウクライナで反政府デモが生じます。そして、同氏のロシアへの亡命を経て、ロシアはクリミア編入を行うことになったわけです。

ロシアのウクライナ情勢での一連の動きに対し、それらを「侵略的」と捉える向きもある一方、別の観点として、ロシアは、同国にとって重要な緩衝国が欧米から侵害を受けたことに対する、リアクションをとったのにすぎないという見方もできることがわかります。

それに従うと、ロシアの行動は、あくまでもリアリズムに則っている一方、欧米は「民主化」を盾にした外交行動をとる中でリアリズムを軽視し、ロシアの立場を十分に解していなかったと述べることができます(ミアシャイマー,2014 参照)。

◆北方領土問題解決の鍵は、日露間でのwin-win関係の構築

さて、リアリズム論における「パワー」に相当するのが「軍事力」であり、それを担保するのが、人口および経済力からなる「軍事的潜在力」です。

1969年の中ソ国境紛争を機に、中露関係はこじれた状況にありましたが、現在の両国間は「戦略的パートナーシップ」として「長期的で、些細なことでは争わない二国関係」にあるとされています。石郷岡(2013)はこのような状況を、「表面上は笑顔を見せ、しっかりと握手をしながら、裏では、厳しい対立と駆け引きを繰り広げている」関係にあると表現しています。

その中で、双方にとってメリットが享受されることを念頭に、2004年に中露国境協定が結ばれました。これで、1994年の画定分と合わせると、全ての国境が画定したことになり、両国間の懸念事項となっていた国境問題が解決に到りました。

しかし、一方で、軍事的にも経済的にも拡張・拡大を続ける隣国・中国のパワーは大きな脅威として、ロシアに映っているのは間違いありません。

そのため、ロシアは、「バランシング(他国と同盟関係を結んだり、自国の防衛費を向上することによりバランスを保持する戦略)」を行い、自国のバランス・オブ・パワーを維持するために、日本との緊密な関係を築いていきたいという願望を持っていると考えられます。

日露間での懸念事項として「北方領土問題」がありますが、中露国境策定に見られたwin-win関係の構築の原則が、その解決のカギになると考えられます。そして、それがバランス・オブ・パワーの観点からの、日露間の望ましい協力関係の形成につながると期待できるわけです。

日本は、長期的視座から国益を追求していくことを前提とした上で、ロシアの持つ「ニーズ」とは何かを考え、それをロシアに対する外交戦略に落とし込み、プーチン大統領に「柔道技」として仕掛けていく必要があります。その「ニーズ」を探る視点こそ、「リアリズム」から求めることができるのではないでしょうか。

参考文献
石郷岡建著『ウラジミール・プーチン-現実主義者の対中・対日戦略』(2013年, 東洋書店)
奥山真司著『地政学-アメリカの世界戦略地図,』(2004年, 五月書房)
ジョン・ミアシャイマー著『大国政治の悲劇』(2008年, 五木書房)
ジョン・ミアシャイマー著『悪いのはロシアではなく欧米だ』(2014年, Foreign Affairs Report 2014 NO.9所蔵)
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■「翁長雄志の正体」を沖縄県民に告知する「横断幕設置」のためのカンパのお願い

<【画像】横断幕デザイン(翁長雄志の最大支持組織は安保破棄中央実行委員会)>
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 11月16日投開票が行われる沖縄県知事選挙で、最も沖縄県民を騙しているのは、「翁長雄志」です。

彼は自分のことを「保守本流の政治家」と言っています。

翁長雄志の父や兄も保守の政治家だったため、特に戦後の沖縄の歴史を知っている人は信じてしまいがちかもしれません。

彼の理論をざっくりまとめると次ぎのとおりです。


◎「私は保守本流の政治家である。」

◎「日米同盟も自衛隊配備も肯定している。」

◎「しかし、0.6%の沖縄に74%もの米軍専有基地を沖縄に押し付けるのは差別である。」

◎「危険なオスプレイを沖縄に配備して自己が起きたら日米同盟に亀裂が入ってしまう。」

◎「だから、辺野古移設、オスプレイ配備に断固反対する。」


つまり、

「日米同盟の重要性は理解した上で辺野古移設に反対している。」

というのが翁長雄志のスタンスです。

また、沖縄のマスコミも翁長雄志を全面的に応援し、いかにも保守の政治家のような演出を続けているので、それならと、仲井真知事より若い翁長雄志を支持してしまう方がかなりの数いることがわかってきました。

地元マスコミと連携した非常に巧みなペテンです。

左翼支持層と共に保守票を集めて選挙に勝とうという戦略です。

しかし、これが、明らかに真っ赤な嘘であることを暴露してしまう集会が9月13日に那覇市で開催されていました。

「日米安保破棄」を目標にして全国の共産党系の労働組合などの組織を束ねている団体があります。

文字通り、「安保破棄中央実行委員会」という名前の団体です。

その団体が、翁長雄志の知事選挙勝利を目指して、去る9月13日に沖縄県那覇市で「全国代表者会議」を開催していたのです。

全国の共産党系組織の代表が沖縄に集まって、翁長雄志の当選に総力をあげる宣言をしたのです。

この事実はマスコミは隠蔽しており絶対に報道しません。

県民に隠された秘密の集会です。

何故なら、翁長雄志が知事になったら「日米安保破棄の実現」を目指すことがバレてしまうからです。

<【写真】日米安保破棄を目指す共産党系の統一団体の集会でスピーチする翁長雄志>
http://goo.gl/GOzGSu


その、事実を県民に告知する横断幕を作成することにしました。

沖縄のマスコミが隠蔽している重要な事実を県民に知らせるには、これ以外に方法が無いからです。

これまで、皆様からいただいたカンパで現在10枚発注をしておりますが、沖縄全土で行われる沖縄県知事選挙では、残念ながら多くの沖縄県民に伝えるにはまだまだ不足しております。

<【画像】横断幕デザイン(翁長雄志の最大支持組織は安保破棄中央実行委員会)>
http://goo.gl/ck068J


今まで、多くの皆様の支えにより沖縄対策本部は活動を継続して来ることができました。

しかし、翁長雄志の当選を阻止し、仲井真知事の三選を実現できるかどうかは、

これまでの活動の総決算であり、まさしく正念場と認識しております。

◎沖縄から安倍内閣を倒し、

◎沖縄から日米安保を破棄し、

◎琉球独立という言葉を使わず琉球独立を実現しようとする

翁長雄志の当選を阻止するために、

是非、皆様のさらなるご支援をお願い致します。

(沖縄対策本部代表 仲村覚)

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~中国共産党に作られた政治家、翁長雄志の当選阻止の戦い~
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ノーベル物理学賞――3氏から学ぶ「科学技術大国日本」への道[HRPニュースファイル1152]

http://hrp-newsfile.jp/2014/1759/

文/政務調査会 佐々木勝浩

◆三人の日本人が受賞したノーベル物理学賞

本年度のノーベル物理学賞は、青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇氏(85歳)、天野浩氏(54歳)、中村修二氏(60歳)の3氏が受賞しました。

すでに1960年代に赤色と緑色の発光ダイオードは出来ていましたが、青色発光ダイオードは、透明な結晶を得ることが難しく「20世紀中の実現は困難」と言われていました。

赤井氏(現・名城大教授)は、青色LEDをつくる素材として世界の研究者が敬遠した「窒化ガリウム」に1970年代から注目し、そのもとで実験を担当したのが、当時大学院生の天野氏です。

赤井氏と天野氏は試行錯誤を繰り返し、ついに1989年、窒化ガリウムの結晶化に成功、赤井氏と天野氏の生んだ青色LEDの関連特許は、2013年までに累計56億円という収入(国立大学全体の特許収入の大半)をもたらしました。

赤井氏の「我ひとり荒野をいく心境で研究を続けた」、天野氏の「とにかく人の生活を良くしたかった」との言葉は、まさに「研究者の魂」を表しています。

もう一人の中村氏の功績は、1993年にLEDを量産化する装置の開発に成功したことで、実用化の扉を開いたことです。(10/8読売)

こうして3氏が、発明し実用化した青色LEDと既存の赤色と緑色のLEDと合わせて、光の三原色がそろったことで多彩な色が表現できるようになり、コンピューターの情報処理、伝達や交通信号、大型デスプレイ、カメラのフラッシュ、スマートフォンの画面など幅広く使用されています。

◆世界を明るくするLED

ノーベル賞の委員会が最も評価したのは、LEDは少ない消費電力で灯りを提供できるため「地球規模の省電力化」を実現する道を開いたことです。

LEDは、消費電力が少なくて済むので、発展途上国の電力源も十分に支えることができ、2020年に照明器具だけでも世界の市場規模は5兆円を超えると予想されています。(10/8読売)

一般的に白熱電球の寿命は40日程度、蛍光灯の寿命は400日程度でしたが、さらにLED電球は、4000日まで寿命を伸ばすことに成功しました。すなわちLED電球は10年以上使用できます。まさにエジソンを超えたと言ってよいでしょう。

また「発光効率」(同じ電力で得られる明るさの強弱)を比べると、LED電球は白熱電球の約6倍、蛍光灯の約1・3倍と高く、さらに技術開発が進めば、蛍光灯の2倍以上に発光効率を高めることも可能になります。

◆科学技術立国への課題

今回のノーベル賞受賞者で日本人は22人になりましたが、うち自然科学分野が19人を占めています。これは日本の研究者の優れた技術力の証です。

しかし、科学水準の目安となる論文の発表数は、2000年前後は世界第2位でしたが、現在は中国などに抜かれ5位に低迷しています。

文科省によると2012年までの3年間の平均で日本の研究者の科学論文は、6万3928本で5・4パーセントで、20年前の7・8パーセントから下がっています。一概に言えませんが「ゆとり教育」の影響が出ているのかもしれません。

もう一つ科学論文が低迷している理由として考えられるのが、日本政府の科学技術軽視です。かつては科学技術庁がありましたが、現在は文部科学省として統合されています。文系頭の大臣が科学面まで管轄し予算まで握ってしまうのは科学技術の発展に弊害があるのではないでしょうか。

科学技術教育を重視することはもちろんのことですが、科学技術を学んだ大学院生が就職の先もなくアルバイトや契約社員に甘んじなくてはならない現状は、まさに日本政府が優秀な人材を生かしていない証です。

今回ノーベル賞を受賞した青木氏がアメリカへ移住し米国籍を取得した理由を「こちらでの研究では米国の国籍がないと軍の予算がもらえないし、軍関係の研究もできない」(10/8日経)と述べているように、まさに日本は優秀な研究者が活躍できない環境にあるのです。

一般的に科学技術には「軍事技術」と「民間技術」があります。アメリカは、軍事技術を手に入れる目的から国防総省が科学技術開発のためにプロジェクトを組み、研究者に資金を提供しています。

そこで開発された技術を民間に商用目的でおろしているのですが、これがアメリカの科学技術を支えています。GPSの技術も軍事用から商用に転化したものです。

◆日本が科学技術立国になるためには

「民間技術」は、日本が進んでおり、経済産業省の外郭団体が基礎研究の実用化を支援するため企業に資金援助をしたりしています。今回のノーベル賞受賞で、産業技術総合研究所は、産学の連携を図り人的交流や共同研究を行う構想も発表しています。(10/11日経)

日本の企業に眠っている技術を探し出して支援するのも良いのですが、日本を科学技術大国にするためには、アメリカの国防総省を参考に、もっと積極的に国家として科学技術のプロジェクトを立ち上げる方法もあります。

そして数十ある科学技術系の独立法人と文科省の科学技術部門を統合し「科学技術省」として独立させるのです。そこに、優秀な研究者を集めて研究をしてもらいます。研究者の雇用にもなり、優秀な人材を生かすこともできます。

資金は官民ファンドを設立し、国民にも科学技術開発に投資してもらう形にすれば、税金で賄わなくても、眠った国民の資産を有効に活用できます。国民も国が関わる事業であればリスクが低く安心して投資できます。

こうして日本の優秀な研究者の技術を世界の繁栄発展に生かすことが大切です。今回のノーベル賞受賞を日本は大きな教訓としなければなりません。
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