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【豊かさ】

人間は、ともすれば、
豊かさというものを忘れがちです。
桜の花がつぼみを開きはじめるころに、
そのほほえみかけるような桜並木の下を
通った日の温かい思いが、
みなさんの記憶のなかにはあるでしょうか。

一日一日が積み重なって一年となりますが、
その一年のなかには、とてもとても
豊かな一日があるのです。
それは、何とも言えない感慨です。
あえて、それを言葉に置き換えるならば、
「自分というものが溶け出し、流れ出して、
大自然と一体になったような気持ち」
と言ってもよいでしょう。

あるいは、「豊かで大きな気持ち、
自然を包んでいる大きな心と、一体になっている」
という感覚です。これが、実は、
豊かさというものと大きくかかわっているのです。

『限りなく優しくあれ』より