
今日は、当たり前の話をします。「選挙に行 くのは、大事なことですよ」という、単純 な、でもとても大切なお話です。
早いもので、衆院選は今日が「最後のお願 い」の日で、明日に投票日が迫っています。 実は今回の選挙、私は投票に行きません。理 由は簡単で、そもそも投票権を持っていない からです。
私は在日韓国人として生まれ、今でも国籍は 韓国にあります。実は、帰化していない在日 韓国人は、日本の国政選挙はおろか、少し前 まで、韓国の大統領選にも参加することがで きませんでした。法改正によって、海外の韓 国人が大統領選に投票できるようになったの は、2012年の選挙からのことです。
もっとも、投票には事前の「在外選挙人登 録」が必要で、恥ずかしながらこの仕組みを 知らずに機会を逸した私は、結局、投票する ことができませんでした。もっとも、あのと き投票していれば、今や反日告げ口外交でお なじみの朴槿恵候補に入れたでしょうから、 行かなくて良かったといえば良かったのです が。
つまり、2012年の大統領選まで、在日韓国 人は、どこの国の国政にも参加する権利がな かったことになります。自分が籍を置く国で も、自分が暮らす国でも。
でも、私がここで言いたいのは、「だから在 日はかわいそうだ。日本の国政での選挙権を 与えろ」という話ではありません。日本の将 来を決める一票を投じるのは、日本人の皆さ んの権利です。
私が言いたいのは、「選挙に参加できるとい うのは、ありふれた権利ではないのだ」とい うことです。このことは、誰もが知ってい る、当たり前の話なのかもしれません。しか し、私はここで、「選挙に参加する権利は当 たり前ではない」ということを、身をもって 感じる立場に生まれた者として、語りかけた いのです。もし、「選挙なんかどうでもいい や」と思っている人がいたら、どうかそう言 わずに、一票を投じてください。多少なりと も、この日本を愛する私の代わりに、一票を 投じてください。
「一人一票」の選挙は、当たり前 ではない
一人一票の平等な選挙というのは、世界を見 渡せば、当たり前のことではないのです(こ こでは、「一票の格差」の話はひとまず措き ます)。つい最近では、香港で普通選挙を求 める大規模な学生デモが起きました。一党独 裁の中国共産党政府は、彼らの声を容れず、 2カ月半続いたデモも警察の出動で終わりの 時を迎えています。
あるいは北朝鮮のように、投票とは名ばかり で、党が選んだ候補が1人だけ出馬し、有権 者は投票に行かなければ迫害されるため、投 票率がほぼ100%の国もあります。
「政治は自分には関係ない」と言う人もいる かもしれません。しかし、この国の行く先を 決めるのは、間違いなく一人一人の投票なの です。この20年近くの間、日本経済は「少 し景気が良くなれば増税、あるいは金融引き 締め」という政策の結果、長い長いトンネル に苦しみました。そして最近でも、4月の消 費増税で、政府はまた同じ間違いを繰り返し てしまいました。外交では、根拠もないのに 中国や韓国に謝ってばかりの政治家が力を 持ったことで、日本は今やいわれのない嘘に よって国際社会で名誉を貶められています。
これは、政治家が悪かったのでしょうか。そ れも確かにあるでしょう。しかし、そうした 政治家を選んでしまった責任は、結局のとこ ろ有権者一人ひとりに返っていくことになり ます。それならば言うまでもなく、日本の将 来を考えて、一票を投じることの責任は重大 です。
一人ひとりの投票によって、財務省に騙され てこれからも増税しようとする議員を選ぶこ ともできれば、景気回復を目指す議員を選ぶ こともできます。あるいは、中国や北朝鮮の 危ない動きをどうにかしようと考えている議 員を選ぶこともできれば、「平和を唱えてい れば平和が続く」と思っている議員を選ぶこ ともできます。でも国会がそういう人ばっか りなら、いずれ中国がアメリカよりも力をつ けて、日本が香港みたいになることだってあ り得るわけですが。
これからも、もっといい国になり ますように
この文章を読んだ方の中に、「選挙はどうで もいいや」と思っている人がいたら、どうか 投票に行ってください。私の代わりにでも、 一票を投じてください。
そして拙文をお読みの方に、どうか知ってほ しいのです。在日というのがみんな、反日勢 力だとか、日本人の税金で生活保護をもらっ ているゴキブリだとか、思う人も一部にいる のかもしれません。けれど、知ってもらいた いのです。この日本を自分なりに愛し、お世 話になっているこの国に何かお役に立てたら いいなと思っている在日も、確かにいるのだ ということを。神話の世界から続く天皇家 が、2600年以上の長きにわたって治めてき たこの奇跡の国が、これからも繁栄の道を歩 んでほしい、そう願っている在日もいるのだ ということを。
今回の総選挙で、これからの日本をさらに良 くしていける、そうした政治が生まれること を、この国に生まれた幸せ者の一人として、 心から願っています。
とはいえ、「2016年の選挙までには」と 思ってはいたものの、突然の解散総選挙と なって日本の国籍を取ることが間に合わな かったことは、ひとつの心残りではありま す。