〈特定団体への協力依頼について〉── こう題された社内メールを受け取った大 手旅行代理店「JTB」グループの中堅男 性社員が明かす。

「任意の協力とはいえ特定の候補者の応 援署名を集めろというのは入社してから 初めて。しかも、それが創価学会からの 要請で公明党を応援するというんだから 驚きました」

文書は11月27日付で、JTB取締役旅行 事業本部長の名前で社員向けに送られ た。文書にはこうある。

〈国内研修会をはじめとした各種需要を 頂戴している創価学会様より、支援政党 である公明党への支援要請がJTBグルー プにあり、営業政策上の観点から各事業 会社においても可能な範囲での協力を求 められております〉(以下、〈 〉内は 文書から抜粋)

まず東京・神奈川・千葉に住む社員に は比例代表向けに〈公明党の政治活動を 支援します〉と題した用紙への署名集め を、太田昭宏国交相と前職の上田勇氏が それぞれ出馬した東京12区と神奈川6区の 居住者には各候補の支援者名簿を作るた めの署名集めを要請している。

JTB社員向けメールでは、あくまで 〈社員個人としての任意協力〉と強調し ているが、〈出来る限りの協力をお願い 致します〉と念押ししているのだから、 控え目にいっても「支援要請」である。

世界有数の旅行代理店であるJTBは修 学旅行などの教育旅行や官公庁のイベン トなど、公共性の高い業務を多く抱えて いる。大口顧客とはいえ、特定政党の支 援を社員に一斉メールで堂々と要請する のは他の大企業では考えにくい。

JTB広報室は「グループ2社で協力依頼 した。あくまで任意の協力依頼であり、 会社として特定の政党を支援することは ない」と説明したが、取締役名で社内 メールシステムを使っているのだから、 「会社として支援」していないという説 明はいかにも苦しい。

民主党も共産党も、JTBの顧客なら頼 めば協力してくれるのか。あまりにも国 政選挙を軽く考えているのではないか。

※週刊ポスト2014年12月19日号