2013年7月に発売された『中国のヤバい正 体』(大洋図書)は、中国のタブーについて 赤裸々に描かれたコミックとして話題になっ た。
作者である孫向文氏は、中国の浙江省杭州 市に在住するいち青年である。日本人が中国 の嫌中本を書くのとはわけが違う。
もし中国共産党の癪に障り、身元がバレて しまえば、逮捕される可能性も大いにある。 中国の刑務所は、拷問も当たり前であり、最 悪殺されてしまうかもしれない。文字通り、 生命をかけて描いたマンガだった。
そして今回、続巻である『中国のもっとヤ バい正体』が発売された。そこで、著者であ る孫向文氏に、話を聞いてみた。
*****
僕はそもそも、“反中国本”を描いたという 意識はないんですよ。中国は愛しています し、中国の未来も深く考えています。
ただ、中国共産党に対しては、反対してい ます。だから“反中共本”ですよね。
今、中国共産党がやっていることの多く が、中国の憲法に違反しています。中国の憲 法上では、報道の自由もあるし、出版言論の 自由、デモの自由もあります。憲法自体は日 本の憲法とそれほど変わらないのです。た だ、中国政府はそれを守っていません。デモ をやっている中国人は拘束されますし、活動 家を弁護している弁護士も逮捕されました。 だから中国人は、「中国の憲法はトイレット ペーパー」と自虐的に語るんですよ。
中国人の中には、反日意識を持っている人 が確かにたくさんいます。ただ、その反日に もレベル差があります。
無差別に日本人を攻撃する「憤青(怒れる 若者)」と呼ばれる人たちは頭がおかしい。 「中国人はゴキブリだ」「中国人は民族的に 劣っている」などという日本の過激な右翼に 近いかもしれません。
昔の日中戦争は事実であり、日本に対する マイナスの印象は避けられません。ただ、過 去のことはひとまず忘れ、友好の未来をつく るのが建設的だと思うのですが、現在の中国 共産党が、昔の恨みを思い出すように仕向け ているのです。
それに、実際に日本人に会うと“いい人”が 多いんですよね。中国人も、日本人は礼儀正 しい人たちだと思っている人がたくさんいま す。
逆に韓国に関しては、歴史的には嫌いにな る要因はあまりないのですが、直接対面する と態度が大きい人が大きかったり、韓国人お 得意の“韓国起源説”が鼻についたりして、韓 国人嫌いになっている場合が多いです。た だ、それでも、習近平政権が続く限り、中国 の反日親韓の姿勢は揺るがないでしょう。
そしてもうひとつ、今後、中国の環境問題 は、ますますひどくなっていくと思います。 中国の上層部は中国を見捨て、外国籍をと り、家族を外国に逃しています。資源の採掘 も私服を肥やすためにやり放題で、まったく 制御できていません。日本の右翼が「中国の 未来は貧乏人と汚染した国土しか残らな い」と言ってましたが、これは僕も同意見で す。
今の中国が変わるのは、単純に中国国民の 力だけでは不可能です。国連や他国が、中国 共産党に圧力を与えて少しずつ改善されてい くか、もしくは中国国内の内戦によって変わ るか、どちらの可能性もあると思います。
どちらにせよ“暴力・金・ウソ”で支える国 家は崩壊して、新しい民主国家として再構築 されるべきだと思いますね。
……と、話が中国の未来へと大きくなったと ころで、ここで「おたぽる」らしく、話をマ ンガに戻したい。孫氏は、マンガをどのよう な環境で描いているのか、今後どのような作 品を描いていきたいのだろうか?
現在は、アナログでペン入れをした後に、 スキャナーでパソコンに取り込んで、デジタ ルで仕上げています。マッキントッシュ環境 で、メインのソフトは『クリップスタジオ』 で描いていますね。中国のマンガ家志望の大 学生に、背景のトレースや、トーン貼りを頼 んでいます。
もともと僕は、熱血の少年マンガを描きた かったんですよ。ただ、「少年週刊ジャン プ」(集英社)などに応募したり、持ち込み したりしたけれど、反応はよくありませんで した。
日本のマンガ雑誌で受賞したのはラブコメ 作品で、自分はラブコメが得意と気がついた ので、今はラブコメばかり描いていますね。 露骨なエロ描写は描きませんけど、ちょっと エッチな青春ドラマを描いていきたいです。 読者を萌え死にさせるような女の子キャラを 描きたいので(笑)。
実際の恋愛に関しては、現在独身で、彼女 募集中です。
昔は、愛国心の強い中国人女性と付き合っ ていたのですが、日本が好きという気持ちが ばれないようにいつもストレスを感じていま した。胸が痛む思い出ですね。なので今は、 日本人女性と恋愛や結婚がしたいな、と思っ ています。
最後に、孫向文氏が選ぶ、日本のマンガベ スト5を教えてもらった。
*****
『聖闘士星矢』 世界観、独自の戦闘方法、聖衣のデザイ ン……などなど、心に撃たれた作品です。初め て読んだのは80年代頃で、海賊版でした。中 国のテレビ局で、毎日夕方にアニメを放送し ていたのを観ていましたね。
『きまぐれオレンジロード』 初めて読んだラブコメ作品でした。マンガ の貸本屋で、台湾版をレンタルして読んだん です。「日本の学生のような恋愛がしたい な」と思いましたね。それに、まつもと泉さ んの絵柄がとてもかわいかったんです。視覚 的に心打たれました。この作品は、アニメの 音楽も大好きで、その影響で昭和のアイドル が好きになりました。
『寄生獣』 先を読まずにはいられない、ストーリー、 セリフ回しがすばらしい作品です。映画、ア ニメ共にとても楽しみにしています。中国で は、『寄生獣』は正規版では出版できないた め、初めは違法アップロードサイトで読んだ んです。
『進撃の巨人』 中国に住む中国人にとっては、とても共感 しやすい世界観だと思います。そして立体機 動装置などのデザインもとてもかっこいいで すね。自分はなかなかこういう作品を描けな いので、尊敬しています。当時は中国では入 手困難でしたが、来日の際に正規版を購入し ました。
『聲の形』 イジメっ子とイジメラレっ子の恋愛を主軸 にした作品ですね。とても新鮮だと思いまし た。主人公たちの微妙な感情描写がとてもよ く描けていますし、脇役の個性もとても面白 いですね。近年のラブコメの中では最もオス スメの作品です。
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マンガを愛し、日本の作品を愛し、中国共 産党と戦う孫氏。彼の熱い思いが、この“反中 共本”から多くの人に届くことを願いたい。 (文/村田らむ)

作者である孫向文氏は、中国の浙江省杭州 市に在住するいち青年である。日本人が中国 の嫌中本を書くのとはわけが違う。
もし中国共産党の癪に障り、身元がバレて しまえば、逮捕される可能性も大いにある。 中国の刑務所は、拷問も当たり前であり、最 悪殺されてしまうかもしれない。文字通り、 生命をかけて描いたマンガだった。
そして今回、続巻である『中国のもっとヤ バい正体』が発売された。そこで、著者であ る孫向文氏に、話を聞いてみた。
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僕はそもそも、“反中国本”を描いたという 意識はないんですよ。中国は愛しています し、中国の未来も深く考えています。
ただ、中国共産党に対しては、反対してい ます。だから“反中共本”ですよね。
今、中国共産党がやっていることの多く が、中国の憲法に違反しています。中国の憲 法上では、報道の自由もあるし、出版言論の 自由、デモの自由もあります。憲法自体は日 本の憲法とそれほど変わらないのです。た だ、中国政府はそれを守っていません。デモ をやっている中国人は拘束されますし、活動 家を弁護している弁護士も逮捕されました。 だから中国人は、「中国の憲法はトイレット ペーパー」と自虐的に語るんですよ。
中国人の中には、反日意識を持っている人 が確かにたくさんいます。ただ、その反日に もレベル差があります。
無差別に日本人を攻撃する「憤青(怒れる 若者)」と呼ばれる人たちは頭がおかしい。 「中国人はゴキブリだ」「中国人は民族的に 劣っている」などという日本の過激な右翼に 近いかもしれません。
昔の日中戦争は事実であり、日本に対する マイナスの印象は避けられません。ただ、過 去のことはひとまず忘れ、友好の未来をつく るのが建設的だと思うのですが、現在の中国 共産党が、昔の恨みを思い出すように仕向け ているのです。
それに、実際に日本人に会うと“いい人”が 多いんですよね。中国人も、日本人は礼儀正 しい人たちだと思っている人がたくさんいま す。
逆に韓国に関しては、歴史的には嫌いにな る要因はあまりないのですが、直接対面する と態度が大きい人が大きかったり、韓国人お 得意の“韓国起源説”が鼻についたりして、韓 国人嫌いになっている場合が多いです。た だ、それでも、習近平政権が続く限り、中国 の反日親韓の姿勢は揺るがないでしょう。
そしてもうひとつ、今後、中国の環境問題 は、ますますひどくなっていくと思います。 中国の上層部は中国を見捨て、外国籍をと り、家族を外国に逃しています。資源の採掘 も私服を肥やすためにやり放題で、まったく 制御できていません。日本の右翼が「中国の 未来は貧乏人と汚染した国土しか残らな い」と言ってましたが、これは僕も同意見で す。
今の中国が変わるのは、単純に中国国民の 力だけでは不可能です。国連や他国が、中国 共産党に圧力を与えて少しずつ改善されてい くか、もしくは中国国内の内戦によって変わ るか、どちらの可能性もあると思います。
どちらにせよ“暴力・金・ウソ”で支える国 家は崩壊して、新しい民主国家として再構築 されるべきだと思いますね。
……と、話が中国の未来へと大きくなったと ころで、ここで「おたぽる」らしく、話をマ ンガに戻したい。孫氏は、マンガをどのよう な環境で描いているのか、今後どのような作 品を描いていきたいのだろうか?
現在は、アナログでペン入れをした後に、 スキャナーでパソコンに取り込んで、デジタ ルで仕上げています。マッキントッシュ環境 で、メインのソフトは『クリップスタジオ』 で描いていますね。中国のマンガ家志望の大 学生に、背景のトレースや、トーン貼りを頼 んでいます。
もともと僕は、熱血の少年マンガを描きた かったんですよ。ただ、「少年週刊ジャン プ」(集英社)などに応募したり、持ち込み したりしたけれど、反応はよくありませんで した。
日本のマンガ雑誌で受賞したのはラブコメ 作品で、自分はラブコメが得意と気がついた ので、今はラブコメばかり描いていますね。 露骨なエロ描写は描きませんけど、ちょっと エッチな青春ドラマを描いていきたいです。 読者を萌え死にさせるような女の子キャラを 描きたいので(笑)。
実際の恋愛に関しては、現在独身で、彼女 募集中です。
昔は、愛国心の強い中国人女性と付き合っ ていたのですが、日本が好きという気持ちが ばれないようにいつもストレスを感じていま した。胸が痛む思い出ですね。なので今は、 日本人女性と恋愛や結婚がしたいな、と思っ ています。
最後に、孫向文氏が選ぶ、日本のマンガベ スト5を教えてもらった。
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『聖闘士星矢』 世界観、独自の戦闘方法、聖衣のデザイ ン……などなど、心に撃たれた作品です。初め て読んだのは80年代頃で、海賊版でした。中 国のテレビ局で、毎日夕方にアニメを放送し ていたのを観ていましたね。
『きまぐれオレンジロード』 初めて読んだラブコメ作品でした。マンガ の貸本屋で、台湾版をレンタルして読んだん です。「日本の学生のような恋愛がしたい な」と思いましたね。それに、まつもと泉さ んの絵柄がとてもかわいかったんです。視覚 的に心打たれました。この作品は、アニメの 音楽も大好きで、その影響で昭和のアイドル が好きになりました。
『寄生獣』 先を読まずにはいられない、ストーリー、 セリフ回しがすばらしい作品です。映画、ア ニメ共にとても楽しみにしています。中国で は、『寄生獣』は正規版では出版できないた め、初めは違法アップロードサイトで読んだ んです。
『進撃の巨人』 中国に住む中国人にとっては、とても共感 しやすい世界観だと思います。そして立体機 動装置などのデザインもとてもかっこいいで すね。自分はなかなかこういう作品を描けな いので、尊敬しています。当時は中国では入 手困難でしたが、来日の際に正規版を購入し ました。
『聲の形』 イジメっ子とイジメラレっ子の恋愛を主軸 にした作品ですね。とても新鮮だと思いまし た。主人公たちの微妙な感情描写がとてもよ く描けていますし、脇役の個性もとても面白 いですね。近年のラブコメの中では最もオス スメの作品です。
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マンガを愛し、日本の作品を愛し、中国共 産党と戦う孫氏。彼の熱い思いが、この“反中 共本”から多くの人に届くことを願いたい。 (文/村田らむ)
