小渕優子、松島みどり両大臣の辞任に続いて、 後任の宮沢洋一・経産相の政治資金収支報告書か らはSMバーの領収証や違法な外国企業献金が発 覚、西川公也・農水相はファミリー企業との不透 明な取引で風前の灯火に追い込まれている。

また望月義夫・環境相は政治資金収支報告書に 賀詞交歓会の収入が記載されていなかったことが 発覚、政治資金規正法違反の虚偽記載だったこと を自ら認めた。そのうえで「違法性はない」とト ンチンカンな釈明をしたのは、有権者に飲食やゴ ルフをタダでさせた「買収疑惑」だと気づかれた くないからだ。

辞任の順番はずいぶんモメているようだが、い ずれにしても後任大臣の最有力候補に挙げられて いるのが野田聖子・前自民党総務会長だ。だが、 本誌は先にいっておく。彼女には大臣に就任して も在任1日と持たない疑惑がある。

2008年8月、福田改造内閣の消費者行政担当相 に就任した野田氏がお国入りした際、選挙区のJR 岐阜駅前で撮影された写真がある。複数の支援者 が野田氏の写真入り「うちわ」を握りしめてい る。辞任した松島氏と同じ公職選挙法違反疑惑で ある。

野田事務所にぶつけると、「この日は非常に暑 かったので、事務所にあったうちわを参加者に 『会が終わったら返してください』とお貸しし た。10数年前の後援会の旅行会の際に有志の方が 作製したもので事務所がつくったわけではない」 と説明した。

「無償貸与」と言い訳したつもりかもしれない が、現にうちわを所有する選挙民は、「駅前でも らいました。返してくれといわれた記憶はありま せんね」と証言し、6年経った今も「返却」して いない。政治資金オンブズマン共同代表で、神戸 学院大学法科大学院の上脇博之教授が指摘する。

「無償貸与でも返却されていなければ無料配布と 同じ。他の人物が作製したものでも、うちわとい う認識を持って不特定多数の有権者に配れば公選 法違反にあたる可能性が高い。ましてや本人が 配ったとなれば彼女自身が責任を問われる」

もっと悪質な疑惑もある。これは“暑かったの で”とか“貸した”とは言い逃れできまい。

野田氏は2010年9月と2011年9月に帝国ホテル で政治資金パーティー「野田聖子さんのさらなる 飛翔を期待する会」を開き、その際、参加者に顔 写真入りの「クオカード」をお土産として渡し た。

資金管理団体「二十一世紀の会」の政治資金収 支報告書には2010年分に50万円、2011年分は56 万円が「記念品(クオカード)」の製作費として 計上されている。パーティーの参加者は両年とも 約1000人だったから、額面500円で1000枚製作し たとすればほぼ配りきった計算だ。その中には当 然、地元選挙区から出席した後援者たちもいたか ら、有権者に「金券」を配ったことになる。

これは露骨な公選法上の「違法寄付」や「買 収」ではないのか。上脇氏はこういう。

「政治資金パーティーの場合、カネを払った出席 者は対価を得る権利が法律で許容されている。た だし、それは有権者が自分でパーティー券を購入 していた場合です。お金を払っていない地元から の出席者にクオカードを配れば違法だし、飲み食 いさせただけでも公選法で禁じている『違法な寄 付』になる可能性が高い」

通常、政治家のパーティー券は後援企業が何十 枚も一括で購入して社員や得意先に配って参加者 を動員することが多い。カネを払っていない出席 者は当然いる。もちろん記念品(お土産)は無料 招待者にも全員に配布される。そういう出席者が 地元から一人でも来ていたら野田氏はアウトだ。

野田事務所の説明は、「クオカードは、参加さ れた方に記念品としてお渡ししている。選挙区の 方も参加されているが、パーティー券を自分で 買ったかどうかは特に考えていない。それをいう と食事も出せない」と、「うちわ」以上に苦しい ものだった。

※週刊ポスト2014年11月14日号