懐の寒い人々にはとてものめない話だ。政 府・与党が、発泡酒と第3のビールの大幅 増税を打ち出した。「貧乏人の楽しみを奪 うな!」と叫びたくもなるが、この方針は 安倍首相が成長戦略のアピールに用いる 「イノベーション」にも逆行する。

「今回の発泡酒増税は、企業の活力をそ ぐものです。日本のビールメーカーは、増 税のたびに試行錯誤しながら研究・開発を 重ね、ホップを使わずに、ここまでビール に近い味をつくり出したのです。これこそ が本当の『イノベーション』で、その努力 を水泡に帰すなんてアベコベです」(経済 ジャーナリストの荻原博子氏)

政府・与党は、「ビール」「発泡酒」 「第3のビール」の税額を一本化する方 針。1缶(350ミリリットル)で、ビー ルの酒税は約22円引き下がるが、発泡酒 は約8円、第3のビールは現行の2倍に当 たる約27円の増税となる。ビール系飲料 の税収は約9000億円 (13年度)。政 府は税収規模は変えないというが、ビール に手を伸ばせない庶民には大打撃だ。

それだけじゃない。庶民の足、特に地方 の家庭では定番の軽自動車にも大増税が控 える。来年4月以降の購入分にかかる軽自 動車税は、現行の1・5倍の1万800円 になる。所有者への負担は総額で年60億 円に上るという。

現行では43車種の高級外車はエコカー 減税の対象なのに、ロコツな庶民イジメ だ。

「最近の軽自動車は、規格ギリギリのサ イズで設計され、乗車スペースもかなり広 い。無駄なスペースを物入れに利用するな ど、細かい部分まで配慮が行き渡っていま す。9月の新車販売に占める軽自動車の割 合は39%に達しています。単純に多いと ころから取るということでしょうが、増税 は企業努力に水を差すようなものです」 (自動車ライターの佐藤あつし氏)

さらに、安倍政権は大企業優遇の法人税 引き下げにシャカリキな一方、その代替財 源として赤字企業にも課税する外形標準課 税を検討している。まさに「強きを助け、 弱きをくじく」の連続で、悲報続きの貧乏 人の暮らしは、ますます苦しくなるばかり だ。

ソース(日刊ゲンダイ) http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/154514