NHKの受信料を徴収する四国地方の専門会社 が、年金事務所に社員らの給与の過少申告を行 い、厚生年金や健康保険料の支払いを不正に免れ ていた疑いがあるとし、日本年金機構(旧社会保 険庁)が調査していたことが2日、分かった。会 社側は社員に対し「年金は将来もらえなくなる」 などと説得し、発覚しないよう口裏を合わせてい た。関係者によると、未納額は1年で約1千万円 に及ぶとみられる。

この会社は香川、愛媛、高知の四国3県で徴収 を行う「ワイズヴィジット」(本社・高松市)。 NHK高松放送局など3県の放送局から業務委託 を受け、受信料の新規契約や滞納者への取り立て を行っている。

関係者によると、同社は松山市内の別の徴収会 社から独立する形で、平成24年5月に設立。経 営者側は約20人の従業員に対し「将来もらえる か分からない年金を支払うより、手取りが増えた 方がいいだろう」などと説得し、給与の支払いが 月25万~80万円程度あるのに、一律18万円 と虚偽の申告を行っていたという。

厚生労働省によると、厚生年金の保険料は事業 主と従業員が半額ずつを負担。事業主が従業員か ら天引きして会社負担分とあわせて機構に納め る。保険料は年金事務所に届けた給与額をもとに 算出され、月給62万円を超えると最高の30等 級となり月約10万6千円かかるが、月給を「1 8万円」と偽装すれば約3万円に圧縮される。ま た、月収18万円と80万円では、健康保険料も 4倍以上の差がある。関係者によると、偽装によ る同社の未納分は年約1千万円に及び、同社が負 担すべきだった保険料は事業の運転資金などに充 てられたとみられる。

厚生年金保険法は、年金事務所への虚偽の申告 を禁止。違反には罰則もあり、事業主に6カ月以 下の懲役か50万円以下の罰金が科される。

ワイズヴィジットの吉井和明社長の話「社会保 険(年金)事務所の指導に従い、適切に対応す る」

NHK広報局の話「委託先に関することであ り、コメントは控える」