■テレビや本もおかしな漢字語だらけ、原 因は?

「そこの学生! そう、諸君が一度言って みたまえ」

これは、1990年代を背景にした創作ミュー ジカルの一場面。大学の講義室で、教授が ある学生を指して言うせりふだ。

このミュージカルの作家は1970年代生まれ で、「諸君」という単語の意味が「複数の 年下の人間をやや格調高く呼ぶ時に用いる 二人称代名詞」だということを知らなかっ たらしい。「諸」という漢字に複数を指す 意味があると知っていれば、使わないはず の表現だからだ。

小学校の正規課程で漢字を学んだ最後の世 代が50歳を越えた今、各種の文化商品で も、誤った漢字語を用いるケースが増えて いる。出版・公演・映画・放送などに携わ る文化系の人材が、漢字を学ぶ機会をあま り持てなかったことが原因だ。

大企業の戦略を取り上げたある経営書は 「航空母艦の艦長の一言で全ての乗組員が 『イルサフンラン』に動くように、社員が 『イルサフンラン』に業務を遂行してい る」と記述した。しかし「イルサフンラ ン」という単語はない。「もつれた糸が1本 もないくらいに整然としている様子」とい う意味の「一糸不乱(イルサフルラン)」 のつづりを間違えたのだ。もし「一糸紛乱 (イルサフンラン)」なら「1本1本の糸が それぞれ絡み合い、乱れている」という正 反対の意味になってしまう。

また、あるテレビ局では、ホームページの 番組紹介に「儒教の『ピェヒェ』を『シル ラル』に批判している」という文章を載せ た。「弊害(ピェへ)」を「ピェヒェ」、 「辛辣(シンラル)」を「シルラル」と、 それぞれ誤って書いてしまったのだ。

さらに、有名出版社が出した人文系のある 翻訳書には「発覚して処罰され、名誉が回 船(フェソン)されるのが恐ろしく」とい う表現が登場した。「毀損(フェソン)」 という単語を、つづりは異なるが発音は似 ている「回船」と間違えたわけだ。「毀謗 (きぼう。他人をけなすこと)」の「毀」 の部分を間違えるケースもよくみられる。

日頃からつづりを間違えるケースが多いた め、辞書に項目として登場する単語もあ る。「ヨクファル」という単語は「役割 (ヨクハル)」の誤記だが、国立国語院の 「標準国語大辞典」はついに「ヨクファル (役-)」という項目を設け、「『名詞』 →ヨクハル」と正しい標準語を表示するよ うになった(矢印は、標準語の意味を参照 せよという指示)。誤記されるケースが、 あまりにも多いからだ。国立中央図書館の ホームページで「ヨクファル」を検索する と、1200件以上も資料が出て来るほど。イ ンターネット上には「『ヨクファル(力 活)』とは『いかなる問題に対しても自分 でやり抜ける能力』という意味」という珍 妙な解説も登場しているが、実際には「力 活」という単語は存在しない。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

ソース 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/14/2014061401085.html

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