◇STAP細胞の存在前提に懸念表明

理化学研究所のSTAP細胞論文問題で、笹 井芳樹発生・再生科学総合研究センター

市、CDB)副センター長が毎日新聞の取材に 「理研のSTAP細胞研究が止まらざるを得な いことが、日本の最大の損失」

した。この発言はSTAP細胞の存在を前提と している。笹井氏は16日午後、東京都内で記 者会見し、自身の責任について謝罪するととも に、論文の作成経緯やSTAP細胞に対する考 え方などを説明するとみられる。

笹井氏は小保方(おぼかた)晴子・理研CD B研究ユニットリーダーを指導する立場で、

TAP細胞論文の責任著者の一人。理研の主要 著者で、公の場で発言していないのは笹井氏だ けだ。

毎日新聞は、論文の不正疑惑発覚後も笹井氏 に複数回にわたって電子メールで取材した。

「調査に関わることなので話



論文については

せない」との内容が多かったが、調査委が最終 報告書を発表した翌日の今月2日、マウスのS TAP細胞が存在することを前提に、

TAP細胞などの研究を海外の研究室が水面下 で行っている可能性を懸念し、

損失」と表現。「論文競争はもちろんだが、知 財(知的財産)競争は早くこの状況を抜け出せ ないと遅れをとるだろう」

更に「STAP細胞の再検証と、

用研究などを並行する戦略性がないと、国内で 過熱しているバッシングが自分の首を絞めるこ とになる、という意見をネット上で書く人もい る。私も同じ危惧を抱いている」

笹井氏は今月1日、調査委の報告を受けてコ

「論文構成上の複数の過誤、不

メントを発表。

備が判明し、混乱を招いた」

義を生じたデータを除いても、その他のデータ でSTAPを前提としないと説明が容易にでき ないものがあると私は考えている」

た。今月11日に毎日新聞に寄せたメールで 「この声明が私の立場」

記者会見でもSTAP細胞の存在は否定せず、 責任者の一人として論文の不備を謝罪するとみ られる。

◇笹井氏、責任問題どう説明

理研調査委は、笹井氏が論文の捏造(ねつぞ う)や改ざん行為に関与したことは否定した が、「(指導的な)シニア研究者でありなが ら、データの正当性と正確性などについて確認 することなく論文投稿に至っており、研究不正 という結果を招いた。その責任は重大」

した。

16日の記者会見で焦点となるのは▽調査委 の指摘に対する見解▽STAP細胞存在の有無 ▽論文の撤回や責任問題--などを笹井氏がど う説明するかだ。更に▽なぜ画像の切り張りや 画像の取り違えを見逃したのか▽「自己流で未 熟な研究者」と反省の弁を述べた小保方氏を リーダーに採用した経緯--についての発言内 容も注目される。

2013年に小保方氏を採用した際には、笹 井氏を含め8人程度のCDB幹部らが面接し、 STAP細胞研究などについて議論した。笹井 氏は疑惑発覚前、当時の小保方氏の印象を

摯(しんし)さが伝わってきた」