韓国「中央日報」紙の報道によれば、北朝 鮮で11月3日、80人が処刑された。処刑さ れたのは、海外ドラマを見た人や聖書を所 有していた人などだという。

同報道によれば、処刑は北朝鮮各地の7都 市で実施され、1カ所当たり10人前後の住 民が、「北朝鮮当局が禁止する韓国ビデオ の闇取り引きと視聴、聖書の所持、売春な どの容疑」で処刑されたという。ある都市 では、スタジアムに集められた1万人の目 前で銃殺が行われ、「住民の話では、処刑 された人は身元がわからなくなるほど機関 銃でずたずたに撃たれ、人々は恐怖に震え ながらそれを見た」という。処刑された者 の家族や、容疑が軽微な連座者は、収容所 に送られたり辺境地に追放措置されたとい う。

この情報は、「ある匿名関係者」からもた らされた。しかし、脱北者が運営する通信 社「Daily NK」も同様のニュースを入手し ており、信ぴょう性は高いと見られる。

処刑の規模からすると、金正恩第1書記が 率いる独裁政権は、反政府運動への見せし めとして公開処刑の一斉実施に踏み切った と見られる。

中央日報によれば、処刑が行われた都市 は、経済開発区指定都市や、総合リゾート 建設が計画されている(日本語版記事)国 際観光特区と一致する。反政府的な感情が 生まれやすいと見られ、早期に手を打とう としたのではないかと考えられている。

「北朝鮮当局が、人民の意識が変化するこ とを恐れているのは明らかで、先手を打っ て人々に恐怖心を植えつけようとしてい る」という、韓国在住の北朝鮮人民で組織 されている反体制グループ「North Korea Intellectual Solidarity」広報担当者のコメ ントを、英紙「インデペンデント」は伝え ている(リンク先によれば、DVDやMP3プ レイヤーなどを使って、米国のドラマ等が 密輸され、視聴されているという)。

人権団体アムネスティ・インターナショナ ルは、過去50年にわたり北朝鮮に対して働 きかけを行なってきたが、2011年の報告書 では、同国の情勢はこれまでにないほど最 悪の状況にあると伝えた。

アムネスティによれば、状況は、改善され るどころかさらに悪化しているという。今 年3月に同団体が公表した写真から、「体 制を乱す行為」を犯した者が収監される強 制収容所の規模が拡大されていることも明 らかになっている(リンク先によると、北 朝鮮各地の政治犯収容所全体で、少なくと も20万人以上が拘束されているとされる。 国連の人権高等弁務官は今年1月、こうし た収容所では性的暴行・拷問・処刑・奴隷 労働などが行われているとし、国際的な調 査が必要だと訴えた)。

中央日報の記事によれば、北朝鮮では、宗 教活動や携帯電話使用、食糧・電線の窃盗 などに対して、見せしめ的な公開処刑を 行っているという。2013年8月には、「金 正恩氏の元恋人」と言われる女性を含む11 名が、「ポルノを制作・販売」したという 理由で公開処刑されたとも報道されてい る(日本語版記事)。

[(English) 日本語版:遠藤康子、合原弘 子/ガリレオ]



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