東シナ海は無人航空機によって始まる世界初の 戦争の舞台になるかもしれない。中国と日本は領 土問題解決の道を素早く見いださないのであれ ば、軍事衝突に向かうことになる。オバマ政権が 米国家安全保障局(NSA)によるスパイ疑惑から オバマケアの実施に至るまで、国内外のあらゆる ことで窮地に立たされていることもあり、米国は この危険な事態で何の役割も果たしていない。そ の結果、アジアでは近年の記憶にないほど衝突が 起こりやすくなっている。
尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権をめぐる 日中対立の悪化は、昨年、今や評判が落ちた当時 の民主党政権が招いたものだ。日本が管理してい る尖閣諸島の周辺水域で中国船の領海侵犯が増え ていたことへの反応と、型破りな石原前東京都知 事が尖閣諸島を購入するという脅しを実行に移す のではないかという不安から、当時の野田首相は 2012年9月に尖閣諸島の3島を民間の所有者から買 い上げて国有化した。
中国 は即座 に反日 暴動と 外交関 係の凍 結でこ れに応 じた。 中国の 巡視船 と漁船 は日本の海上保安庁との緊迫したにらみ合いを始 めた。それから数カ月のうちに両国の空軍はより 活発な航空監視を開始した。そして、2カ月前、中 国はそうした緊張をはらんだ空域で無人偵察機を 飛行させ、事態を一段とエスカレートさせた。日 本政府はこれを受けて、尖閣諸島上空からの退去 を拒否する無人機は撃墜する方針を示した。一方 の中国は無人機へのいかなる攻撃も戦争行為にな ると主張した。
この対立を加速させている要因の1つに最新技術 がある。海軍の艦艇に日本の島々の間にある公海 を通過させたり、戦略的に重要な狭い航路の近く で早期警戒管制機を飛ばしたり、無人機の使用を 増やしたりするなど、中国は過去20年間に開発し てきた(そして米国から盗んできた)軍事力を誇 示している。
日本の自衛隊も長年の停滞の後に近代化してお り、今や無人軍事システムのための交戦規定の制 定を迫られている。こうしたことが必要な国は他 にはほとんどないだろう。中国の台頭は、そのサ イバー攻撃から衛星攻撃兵器といった宇宙での能 力まで、さまざまな形で従来の軍事ドクトリンに 挑戦している。中国の作戦能力、軍事ドクトリ ン、先進諸国に立ち向かう自信ついて手がかりを 得ようと、米国、ロシア、インド、その他の国々 が東シナ海での対立に注目している。
無人機が招いた緊張は、日本政府と中国政府の 間に外交関係がまったくないことを浮き彫りにし た。安倍首相は日本の国際的地位を回復させると いう自らの願望を優先させ、またしても必要な経 済改革を二の次にした。中国の習近平国家主席 は、今年春にその権力の座に就いて以来、日本と の緊張を和らげたいという意思表示をしていな い。そして、中央委員会総会を今週末に控えた 今、安倍首相の国家主義らしきものに相対して譲 歩しているように見られたいと考える中国の指導 者などいるはずがない。
このような日中関係は、その地域紛争が力での み解決するのではないかという懸念をアジア全域 で引き起こしている。こうしたことがより小さな 国々──特に自らも中国との領有権争いに直面し ている国々──を不安に陥れ、意義のある地域の 政治機構を築くことを難しくさせる。中国による 無人機や先進航空機の使用は、アジアの防衛支出 増加を確実に促すだろう。
米国政府は、日中両政府どちらかの領有権の主 張を支持するのは避けたいかもしれないが、戦争 は誰の得にもならない。特に日本と安全保障条約 を結んでいる米国は、信頼性は言うまでもなく、 米軍兵たちをも危険にさらすことになる。いずれ にしても、この危機は東アジアの勢力バランスを 変えることになる。日本が数十年にわたって支配 下に置いてきた領土をあきらめるか、あるいは、 中国が譲歩して、今日の国際システムに対してこ れまで以上に憤慨することになるかのどちらかで ある。
少なくとも、ケリー米国務長官が自らの交渉へ の強い執着をアジアに持ち込むべきときだ。日中 関係で懸案となっている多くの問題を踏まえる と、短期間の危機外交が与えるショックは、両国 がどれほど大きな犠牲を払うことになるかを理解 させるきっかけになるかもしれない。
さらには、日米安全保障条約があるので、中国 が万が一にも一線を越え、領有権を守るために軍 事力を使わざるを得ない状況に日本を追い込んだ ら、米国政府は即座に軍事支援を行うということ を明らかにしなければならない。日本政府が中国 への反応で行き過ぎた行動を取らないように、日 米両国は具体的にどうなれば相互防衛条項が発動 するのかという明確な議論を非公式にする必要が ある。
不干渉の放任主義のアプローチは日中米のすべ ての政府で失敗に終わっている。最新技術が経験 を追い越している今、昔からある外交努力で東シ ナ海が手におえなくなるのを避けるべきときだろ う。
(マイケル・オースリン氏はアメリカン・エン タープライズ研究所の日本部長でwsj.comのコラ ムニスト)
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尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権をめぐる 日中対立の悪化は、昨年、今や評判が落ちた当時 の民主党政権が招いたものだ。日本が管理してい る尖閣諸島の周辺水域で中国船の領海侵犯が増え ていたことへの反応と、型破りな石原前東京都知 事が尖閣諸島を購入するという脅しを実行に移す のではないかという不安から、当時の野田首相は 2012年9月に尖閣諸島の3島を民間の所有者から買 い上げて国有化した。
中国 は即座 に反日 暴動と 外交関 係の凍 結でこ れに応 じた。 中国の 巡視船 と漁船 は日本の海上保安庁との緊迫したにらみ合いを始 めた。それから数カ月のうちに両国の空軍はより 活発な航空監視を開始した。そして、2カ月前、中 国はそうした緊張をはらんだ空域で無人偵察機を 飛行させ、事態を一段とエスカレートさせた。日 本政府はこれを受けて、尖閣諸島上空からの退去 を拒否する無人機は撃墜する方針を示した。一方 の中国は無人機へのいかなる攻撃も戦争行為にな ると主張した。
この対立を加速させている要因の1つに最新技術 がある。海軍の艦艇に日本の島々の間にある公海 を通過させたり、戦略的に重要な狭い航路の近く で早期警戒管制機を飛ばしたり、無人機の使用を 増やしたりするなど、中国は過去20年間に開発し てきた(そして米国から盗んできた)軍事力を誇 示している。
日本の自衛隊も長年の停滞の後に近代化してお り、今や無人軍事システムのための交戦規定の制 定を迫られている。こうしたことが必要な国は他 にはほとんどないだろう。中国の台頭は、そのサ イバー攻撃から衛星攻撃兵器といった宇宙での能 力まで、さまざまな形で従来の軍事ドクトリンに 挑戦している。中国の作戦能力、軍事ドクトリ ン、先進諸国に立ち向かう自信ついて手がかりを 得ようと、米国、ロシア、インド、その他の国々 が東シナ海での対立に注目している。
無人機が招いた緊張は、日本政府と中国政府の 間に外交関係がまったくないことを浮き彫りにし た。安倍首相は日本の国際的地位を回復させると いう自らの願望を優先させ、またしても必要な経 済改革を二の次にした。中国の習近平国家主席 は、今年春にその権力の座に就いて以来、日本と の緊張を和らげたいという意思表示をしていな い。そして、中央委員会総会を今週末に控えた 今、安倍首相の国家主義らしきものに相対して譲 歩しているように見られたいと考える中国の指導 者などいるはずがない。
このような日中関係は、その地域紛争が力での み解決するのではないかという懸念をアジア全域 で引き起こしている。こうしたことがより小さな 国々──特に自らも中国との領有権争いに直面し ている国々──を不安に陥れ、意義のある地域の 政治機構を築くことを難しくさせる。中国による 無人機や先進航空機の使用は、アジアの防衛支出 増加を確実に促すだろう。
米国政府は、日中両政府どちらかの領有権の主 張を支持するのは避けたいかもしれないが、戦争 は誰の得にもならない。特に日本と安全保障条約 を結んでいる米国は、信頼性は言うまでもなく、 米軍兵たちをも危険にさらすことになる。いずれ にしても、この危機は東アジアの勢力バランスを 変えることになる。日本が数十年にわたって支配 下に置いてきた領土をあきらめるか、あるいは、 中国が譲歩して、今日の国際システムに対してこ れまで以上に憤慨することになるかのどちらかで ある。
少なくとも、ケリー米国務長官が自らの交渉へ の強い執着をアジアに持ち込むべきときだ。日中 関係で懸案となっている多くの問題を踏まえる と、短期間の危機外交が与えるショックは、両国 がどれほど大きな犠牲を払うことになるかを理解 させるきっかけになるかもしれない。
さらには、日米安全保障条約があるので、中国 が万が一にも一線を越え、領有権を守るために軍 事力を使わざるを得ない状況に日本を追い込んだ ら、米国政府は即座に軍事支援を行うということ を明らかにしなければならない。日本政府が中国 への反応で行き過ぎた行動を取らないように、日 米両国は具体的にどうなれば相互防衛条項が発動 するのかという明確な議論を非公式にする必要が ある。
不干渉の放任主義のアプローチは日中米のすべ ての政府で失敗に終わっている。最新技術が経験 を追い越している今、昔からある外交努力で東シ ナ海が手におえなくなるのを避けるべきときだろ う。
(マイケル・オースリン氏はアメリカン・エン タープライズ研究所の日本部長でwsj.comのコラ ムニスト)
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