中国・北京の天安門広場の付近で、28日、車 が歩道に突っ込んで炎上し、合わせて5人が死 亡した事件で、香港などのメディアは、政府に 不満を持つ新疆ウイグル自治区の出身者が事件 に関与した疑いがあると伝えており、捜査当局 も詳しく調べているものとみられます。

この事件は28日、北京で、車が歩道に突っ込 んでおよそ500メートル走ったあと、天安門 の前にある橋の欄干に衝突し、その後、燃えた もので、車内にいた3人と、巻き込まれた観光 客2人の合わせて5人が死亡しました。 さらに、上海在住の30代の日本人男性1人を 含む観光客など38人がけがをし、当局は事件 として捜査しています。 これについて、香港の新聞「明報」が、車内で 死亡した3人のうち、少なくとも2人はウイグ ル族だったと報じ、香港などのメディアは、中 国政府に不満を持つ新疆ウイグル自治区の出身 者が事件に関与した疑いがあると伝えていま す。 さらに、中国のインターネット上には、北京市 公安局が市内の宿泊施設に出した通知だとする 文書が掲載され、文書には「28日に北京で重 大な事件が発生した」としたうえで、新疆ウイ グル自治区出身の2人の男の名前や戸籍の登録 住所などと共に車のナンバーが書かれており、 情報があれば直ちに通報するよう求めていま す。

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 これについて、北京市公安局の担当者は、

 Kの取材に対し、「情報があれば知らせる」と 確認を避けていますが、捜査当局も新疆ウイグ ル自治区の出身者による事件への関与を捜査し ているものとみられます。 ただ、中国のメディア関係者からは、当局が世 論の反応を見ようと、こうした情報を流出させ た可能性もあるとの見方も出ています。

中国外務省「関係部門が調査中」

中国外務省の華春瑩報道官は、29日の記者会 見で、「関係部門が調査中だ」として、28日 に続き詳しい言及を避けました。 会見で、記者が28日の事件についてテロとの 関連を質問したのに対し、華報道官は、「関係 部門が調査中だ。同時に力強い措置を取って首 都の安全と安定を確保している」と述べまし た。 そのうえで、華報道官は、「具体的な状況に関 心があるなら、北京の担当部門に直接問い合わ せることを勧める」と述べるにとどめ、28日 に続いて詳しい言及を避けました。 また、新疆ウイグル自治区の情勢についての質 問に対して、華報道官は、「ここ数年、新疆 は、経済、社会、文化の各方面で飛躍的な発展 を遂げた。これは新疆の各民族が共に努力した 結果であり、中国の民族政策がうまくいってい ることを実証してもいる」と述べ、ウイグル族 の多くは中国政府に対して不満を抱いていない という認識を示しました。

ネット上に掲載された文書

中国のインターネット上には、北京市公安局が 出した通知だとされる文書が掲載されていま す。 「違法車両捜索の通知」と書かれたこの文書 は、28日、北京で発生した重大案件について 北京市公安局にある治安管理の部署から、北京 市内の宿泊施設に出されたものとされていま す。 文書には、新疆ウイグル自治区に戸籍のある2 人の男の実名と共に戸籍の登録住所などが書か れています。 また、手配されている車はSUV=多目的ス ポーツ車だとして、新疆ウイグル自治区で登録 されたことを示す「新」と書かれた4つの車の ナンバーも書かれています。 そして、10月1日以降に宿泊した客や駐車さ れた車両について、何らかの情報があれば直ち に通報するよう求めています。

中国でNHKの放送中断

NHKの海外向けテレビ放送「ワールドプレミ アム」が、天安門広場の近くで起きた車の炎上 事件に関するニュースを日本時間の29日昼か ら伝えたところ、中国国内では、映像と音声が およそ2分間にわたって中断され、画面は真っ 暗になりました。 28日、この事件について伝えた「ワールドプ レミアム」のニュースは、中国では一度映像と 音声が数秒間途切れただけで、あとはすべて放 送されました。 29日になって中国当局が規制を強めたのは、 指導部が今回の事件が引き金となって国内で動 揺が広がる事態を懸念している表れとみられま す。

29日夜のニュースでも

「ワールドプレミアム」の29日夜7時の ニュースも、中国国内では映像と音声がおよそ 40秒間にわたって中断され、画面は真っ暗に なりました。 中断したのは、NHKの昼のニュースがおよそ 2分間にわたって中断したことを紹介した場面 です。

中国のウイグル問題

ウイグル族は中国西部の新疆ウイグル自治区に 多く暮らす少数民族で、ほとんどの人がイスラ ム教を信仰しています。 ウイグル族が人口の半数近くを占める新疆ウイ グル自治区では、政治や経済活動などにおける 漢族との格差や宗教活動を巡る政府の締めつけ に対して、ウイグル族が不満を募らせ抗議活動 が相次いでいます。 このうち2009年には、自治区最大の都市ウ ルムチでウイグル族による中国政府への抗議デ モが大規模な暴動につながり、政府側の発表で およそ200人が死亡したほか、けが人も多数 出ました。 ことしに入っても4月に南部のカシュガル地区 で地元当局と住民グループが衝突し、警察官や 住民合わせて21人が死亡したほか、6月には 東部のトルファン地区で、刃物を持った集団が 警察施設などを襲い、住民や警察官合わせて3 5人が死亡しています。 こうした事態を受けて中国政府は、新疆ウイグ ル自治区に大量の治安部隊を投入して監視や取締りを強化し、

ウイグル族に対する締め付けを強めています。



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