衆参ねじれ解消後、初め てとなる臨時国会が召集さ れた。安倍晋三首相は所信 表明演説で「世界の中心で 再び活躍することができ る。そうした未来への『希 望』が、確実に芽生えてい ます」と述べ、「復興の加 速化」「成長戦略の実行」「積極的平和主義」に ついて具体的に訴えた。

さらに、「積極的平和主義こそが、わが国が背 負うべき21世紀の看板である」といい、国家安 全保障会議(日本版NSC)を創設し、国益を長 期的視点から見定めたうえで、「国家安全保障戦 略」を策定すると宣言した。日本が大きく動き出 したことを感じた。

民主党の海江田万里代表は代表質問で、安倍首 相を「独裁者」などと批判していたが、あきれ果 てた。同党は「日米中正三角形論」を掲げて日米 同盟を傷つけた鳩山由紀夫元首相や、福島第1原 発事故で放射線量に関わらず20キロ圏内の人々 を強制避難させて多数の災害関連死を招き、自然 界の数値を下回る年間1ミリシーベルト以下の除 染で莫大な費用を負担させている菅直人元首相ら を出した責任をどう考えているのか。

米国は財政危機やシエールガス革命で、将来、 中東から撤退していくとみられる。資源のない日 本としては国益を踏まえて、冷徹に「エネルギー 安全保障」について考えなければならない。

日本は現在、石油の9割弱、LNG(液化天然 ガス)の約3割を中東に依存している。東日本大 震災後の原発稼働停止で、年間4兆円もの燃料費 増となっている。原発問題は、原油問題でもあ り、日本は米国に頼ってきたシーレーン防衛の一 端を担い、責任を自ら果たさなければならない時 代がやってくることに備えなければならない。

科学的根拠もなく、放射能への不安を煽り、 「脱原発」を叫ぶ野党や反日メディアは無責任極 まる。日本には、石油メジャーの謀略戦に乗せら れて、世界トップレベルの原発技術を放棄する選 択肢はない。快進撃を続ける安倍首相に付け入る スキがないため、「脱原発」を政権攻撃の手段に しているのだろう。

こうしたなか、「原発ゼロ」発言を繰り返して いる小泉純一郎元首相を後ろ盾として、一部野党 が「新党構想」を模索しているという記事があっ た。小泉氏自身も否定していたが、あり得ない。 小泉氏としては存在感を示して、次男・進次郎氏 を将来の総理大臣とすべく、援護射撃をしている だけではないか。

ただ、小泉発言を最初に報じた毎日新聞(8月 26日)の記事には疑問を感じた。小泉氏は原発 メーカー幹部に「オレが現役に戻って、態度未定 の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』 という線でまとめる自信はない。『原発ゼロ』と いう方向なら説得できると思った」と語ったとい う。

政治家とは本来、この国の置かれた現実を見据 えて、将来的な国の発展繁栄のためであれば、た とえ少数派になろうとも厳しい選択を下すべき だ。多数の側に身を置くことを常とすれば、まさ にそれは「世論調査政治家」といえる。

■元谷外志雄(もとや・としお) 石川県小松 市生まれ。信用金庫勤務後、27歳で注文住宅会 社を創業し、その後、ホテルやマンション、都市 開発事業などを手がけるアパグループを一代で築 き上げる。同グループ代表。国内外の多くの要人 と交友関係があり、政治や経済、軍事に関する知 識も豊富で、社会時評エッセーも執筆する。著書 に「誇れる祖国『日本』」(幻冬舎)、「報道さ れない近現代史」(産経新聞出版)など。



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