米国天文学会に所属する2人の惑星科学者が、土 星と木星には1000万トンものダイヤモンドが存在 する可能性を示唆した。
カリフォルニア・スペシャルティ・エンジニア リングの惑星科学者、モナ・デリツキー氏とウィ スコンシン大学マディソン校の惑星科学者、ケビ ン・ベインズ氏は、土星の嵐が炭素粒子を盛んに 生成していることを示す観測データに加え、新た な実験とモデルによって、極限状況下における炭 素の振る舞いを調べた結果から、土星と木星は、 ダイヤモンドの生成にとって安定した環境となっ ている可能性があるとした。研究成果は今週、コ ロラド州デンバーで開かれた会合において発表さ れた。
「固体ダイヤモンドの上限温度が8000ケルビ ン、摂氏約7700度であることが判明、それ以上に なると融解することがわかった。また、土星と木 星内部のより正確な圧力と温度の構造もわかっ た。「この2つの発見は、両惑星の広い鉛直領域上 に、固体ダイヤモンドが存在する可能性を初めて 示すものだ」。 ベインズ氏は語る。

従来の説では、ダイヤモンドを形成している可 能性がある太陽系の惑星は、地球以外では天王星 と海王星のみだと考えられていた。これらの惑星 では、非常な高温と高圧によって、大気中のメタ ンガスがダイヤモンドに変換され、惑星内部に降 り注いでいる可能性が指摘されている。
それに比べて、木星と土星ははるかに低温で、 メタンも少ないと考えられるため、これまでダイ ヤモンドの形成とは関連付けられてこなかった。 大気中に含まれるメタンの割合は、土星が約 0.5%、木星がわずか約0.2%なのに対し、天王星 と海王星は、大気の15%近くがメタンだ。

土星探査機カッシーニが、土星の上層雲に発生 する巨大な嵐と雷の姿をとらえており、木星でも 同様の嵐が観測されているが、ベインズ氏による と、これらの現象が、ダイヤモンドの形成を引き 起こす上で重要な役割を果たしている可能性があ るという。
今回提唱された説によると、分解されてできた 非晶質炭素は、大気中を降下し、密度の近い高度 に到達すると、圧力の上昇によってグラファイト (黒鉛)に変換される。グラファイトは土星大気 のさらに深部へ降りていき、圧力と温度の上昇に 伴って固体ダイヤモンドに変わる。

「これによって毎年約1000トンのダイヤモンド が形成され、厚さ3万キロのダイヤモンドを含む層 には、このように形成されたダイヤモンドが約 1000万トン存在すると推測される」とベインズ氏 は述べる。

一方、木星大気の最深部は、非常に極限的な環 境であるため、ダイヤモンドは固体でなく液体と して海を形成している可能性が考えられる。

「ダイヤモンドが融解する層より下では、水素の 原子化、イオン化によって大気が過酷になり、融 解したダイヤモンドはおそらくまた別の物質に変 換される」。
天王星と海王星の内部ははるかに低温で、8000 ケルビンに達することはないため、地球からさら に遠いこれら惑星のダイヤモンドはおそらく決し て融解しない。その為、ダイヤモンドが永久に残 るが、木星と土星には残らないとも考えられる。

これら地球外のダイヤモンドは、はたしてどの くらいの大きさなのだろうか。デリツキー氏は、 最初に雷によってできる“すす”は、1ミクロンほど ではないかと考えている。これら“すす”粒子は、 雨滴のように、惑星の内部へ降下していくにつれ て大きくなり、やがてエンドウマメ以上の大きさ になり、一部巨大化して”ダイヤモンド氷山”と呼 べそうなサイズに成長する可能性もあるという。

「おそらくナノダイヤモンドよりはるかに大き く、もしかすると手でつかめるほどの大きな塊 だ」と、デリツキー氏は述べる。「遠い将来に は、ロボット探査によって、これら巨大ガス惑星 の深部大気に存在するダイヤモンドの採掘が可能 になるかもしれない」。 via:space・nationalgeograp







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