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経済再生と社会保障安定が私の内閣 の責任
半世紀ほど前の本日、10月1日、東海道新幹 線は開業しました。そして、その10日後、東 京オリンピックが開会されました。「頑張る人 は報われる」。みんながそう信じていた時代で す。その少し前、国民皆保険、皆年金が実現を しました。今に続く世界に冠たる社会保障制度 の礎が築かれた時代であります。それから半世 紀、日本経済はオイルショック、バブル、バブ ルの崩壊を経験し、そして、15年以上続いた 長い長いデフレを経験しました。この間、国民 所得は大きく減ってしまいました。 こうしたなか、毎年増え行く社会保障費をどう 賄うか、それが大きな課題となっています。同 時に、デフレから脱却をし、再び成長軌道を取 り戻すことなしには、将来に向けた真に安定し た社会保障制度は作れません。半世紀前のこの 日のように、わが国経済が再び希望と活力、成 長への自信を取り戻す、そして、国の信認を維 持し、社会保障制度を次世代にしっかりと引き 渡す、これらを同時に進めていくこと、これが 私の内閣に与えられた責任であります。
8%への引き上げは熟慮の結論
本日、私は消費税率を法律で定められたとお り、現行の5%から8%に3%引き上げる決断 をいたしました。社会保障を安定させ、厳しい 財政を再建するために財源の確保は待ったなし です。だからこそ、昨年、消費税を引き上げる 法律に私たち自由民主党と公明党は賛成をしま した。 ただし、直近のデータによれば、民間給与は僅 かに上昇傾向に転じましたが、景気回復の実感 はいまだ全国津々浦々までには波及してはいま せん。このなかで増税を行えば、消費は落ち込 み、日本経済はデフレと景気低迷の「深い谷」 へと逆戻りしてしまうのではないか、結局、財 政規律も社会保障の安定も悪い方向へと行きは しまいか、最後の最後まで考え抜きました。 足元の日本経済はどうか、次元の違う「3本の 矢」の効果で回復の兆しを見せています。2期 連続で3%以上のプラス成長。有効求人倍率も 0.95まで回復しました。生産も消費も、そ して、ようやく設備投資も持ち直してきていま す。15年間にわたるデフレマインドによって もたらされた日本経済の「縮みマインド」は変 化しつつある、であれば、大胆な経済対策を果 断に実行し、この景気回復のチャンスをさらに 確実なものにすることにより、経済再生と財政 健全化は両立しうる。これが熟慮をしたうえで の私の結論です。
経済政策パッケージ『未来への投 資』
250年ほど前、私の郷里、長州藩は巨額の財 政赤字に苦しんでいました。財政再建のために 検地を行い、4万石余り収入が増えました。し かし、当主・毛利重就は「未来への投資」に充 てることを決断します。干拓して新田を開拓 し、塩・紙・ろうといった新たな産業を育成し ました。「4万石の未来への投資」が長州の人 たちの生活を押し上げ、明治維新の原動力と なったのです。増えた4万石で一時しのぎをす るのではなく未来を描こうとしたのです。 今般取りまとめた経済政策パッケージは、目先 の経済を押し上げるだけの一過性の対策ではあ りません。社会保障の充実や安定などのために お願いする負担を緩和しながら、同時に、将来 にわたって投資を促進し、賃金を上昇させ雇用 を拡大する。まさに「未来への投資」です。企 業収益の増加が、賃金上昇・雇用拡大につなが り、消費を押し上げることを通じて、さらなる 企業収益につながっていく「経済の好循環」を 作るための投資を進めます。研究開発を促し、 設備投資を後押しして、未来の成長と雇用につ なげます。事業再編を促して企業体質を変え、 新たなベンチャーの起業を応援することで、持 続的な活力を生み出します。 実効税率が国際的に高い水準にある、わが国の 法人税。わが国の持続的な成長に向けて、国際 競争に打ち勝ち、世界から日本に投資を呼び込 むためには、法人税について真剣に検討を進め ねばなりません。さらに、収益を賃金として従 業員に還元する企業には税制で支援します。 政・労・使の連携も深めながら、成長の成果を 若者や女性を含めて、雇用拡大、そして賃金上 昇につなげていきます。加えて、足元の経済成 長を賃金上昇につなげることを前提に、復興特 別法人税の1年前倒しでの廃止について検討い たします。 もちろん25兆円の復興財源を確保することは 大前提です。同時に所得の低い方々に対して1 人1万円の給付を行います。住宅については、 住宅ローン減税の大幅拡充、給付措置の創設を 行い、消費税引き上げによる負担を軽減するこ とも決定いたしました。 消費税率の引き上げによって、東日本大震災の 復旧・復興に支障が生ずることはあってはなり ません。新たな経済対策の中で、復旧・復興の 加速に取り組むとともに、被災者の住宅再建に かかる給付措置を創設します。これらの給付措 置を含む新たな経済対策を12月上旬に策定し ます。その規模は5兆円規模とします。 消費税の円滑・適正な転嫁も大変重要な課題で す。政府一体となって強力に転嫁対策を実行し ていきます。
安定した社会保障次世代に引き渡す
世界に冠たる、わが国の皆年金・皆保険制度。 これを次世代にしっかりと引き渡してまいりま す。少子化対策、そして、女性が輝くための対 策、わが国の未来のため喫緊の課題です。待機 児童の解消をしっかりと実行してまいります。 そのための一体改革です。消費税で安定した税 源を確保し、社会保障を維持、強化してまいり ます。消費税収は社会保障にしか使いません。 当然、歳出のむだは不断に削減していきます。
財政健全化に大きな一歩踏み出す
合わせて国の信認を維持してまいります。海外 や市場からの信頼が損なわれれば、日本経済と 国民生活に深刻な影響が出ます。そのような事 態を招くわけにはいきません。基礎的財政収支 の赤字を、2015年度に半減し、2020年 度に黒字化するという目標に向けて大きな一歩 を踏み出します。
力強い経済成長へ果断に実行
増税をしながら、他方で経済対策を実施するこ とは批判があるかもしれません。しかし、増税 をせずに経済再生だけを優先すれば、将来の社 会保障の安定と財政再建に疑問符が付くことに なってしまいます。持続的ではありません。他 方で経済対策をせずに増税だけを優先すれば、 景気は腰折れしてしまうリスクが極めて高い、 これも持続的ではないのです。経済の再生と財 政健全化。この2つを同時に達成するほかに私 たちには道はありません。本日決定した経済対 策パッケージは、そのためのベストシナリオで ある、私はそう確信をしています。 「4万石の未来への投資」は、長州藩を豊かに し、幕末には、吉田松陰先生をはじめ明治維新 の原動力となった若者たちを育む基盤となりま した。「志定まれば、気盛んなり」消費税の 3%引き上げと、その下でも経済を力強く成長 させる経済対策を、同時にそして果断に実行し てまいります。わが国が置かれている現状、そ して今回の私の結論に対して国民の皆様のご理 解とご支持をお願い申し上げます。
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[関連リンク] ◇ 消費税率引き上げ 首相会見 ニュース特設 (10月1日)
安倍総理大臣記者会見 全文掲 載 10月1日 22時40分
安倍総理大臣は、1日夜、総理大臣官邸で記者 会見し、消費税率を来年4月から8%に引き上 げる決断をした理由などについて説明しまし た。安倍総理大臣の会見の全文を掲載します。
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