日本において、コスト削減の鍵である農地集約が今まで成功しなかった理由は4点あります。

1点目はゾーニング(土地利用計画)政策の甘さです。

簡単に農地を(地価の高い)宅地に転用できるので、資産保有の意味合いで農地を手放さない農家が多く、日本では、意欲のある農業の担い手に対する土地の集積は進んで来ませんでした。その結果、膨大な耕作放棄地が生まれたのです。

2点目は、減反政策をして米価を高く維持し、所得保障を行なっているため、生産コストの高い農家も農業を続けていることが原因です。

3点目は、株式会社の農地取得を阻んでいる「農地法」です。

現場の農家の中にも、「土地を集約し、コストを削減したい」という声はあるものの、法人でも企業でも良いので、誰かに来て取りまとめてもらいたいという声があります。現場も経営力を求めているのです。

4点目は農業収益の向上です。ゾーニングが行われた農地で耕作放棄地が出るのは、収益が上がらないからです。

一定規模以上の主業農家に耕作面積に応じた直接支払い(生産者に直接支払われる補助金)を行い、集約して借りている土地代の支払能力を補強すれば、農地は耕作放棄されずに主業農家に集まり、規模は拡大し、コストが下がります。

直接支払いのメリットは、起業家的な主業農家にターゲットを絞って、補助金政策を実施できることです。

しかし、政治家にとっては、広範な「バラマキ」ができなくなるため、実施されて来ませんでした。ここも安倍政権に攻めて頂きたいところです。

なお、「集約して大規模農業」と聞くと、地平線まで広がる農地と超大型の農業機械を想像しますが、日本の場合、10ha規模の運営が「最も経済的」と言われています。

地域で3~5人集まり、法人化して共同作業し、農業機械も共有することで、大幅なコストダウンを図ることができます。

共同出資により、最新の農業機械を購入する負担も減らせます。しいては、農業機械メーカーにも経済効果が波及します。




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