最近、新潮社が作家百田尚樹氏の新刊キャンペーンを中止した。

 

キャンペーン名「読書がすんだらヨイショせよ #ヨイショ感想文求む」というもの。

 

肯定的な感想文で作家を気持ちよくさせたら一万円という内容。

 

いや、これ、実は中止になった意味がよくわからない。

 

批判があったのはわかるのだが、新潮社が攻撃されている意味もわからない。

 

問題点というか、キャンペーンとして稚拙な点はパッと見、2点ある。

 

・「ヨイショ」という言葉

はじめから肯定的な意見だけを募ろうとしたところが、版元の立場をわかっていない。

そもそも読書感想文を募った上で、肯定的な意見を販促に使うことは「当たり前」なわけである。

「キャッチコピーを考えよう」

「引退される百田尚樹氏に感想をおくろう」

という言葉だけで良かったのではなかろうか。

ヨイショ、という言葉を使って読者のアウトプットの方向性を規定するのは印象が良くない。

 

・金ピカの彫像風画像

キャンペーン用画像の中央には、金製ぽい加工をされた百田氏の姿がある。

日本人にとって、金ピカというのは必ずしも肯定的な意図があるわけではない。

特に百田尚樹氏は政治的な発言をたくさんされているし、そういう文脈の文章も書かれている。

そこに金製の像を付け足したら、「金満政治」というコンテキストを産んでしまうことは明らかなのだ。

合わせて、その金ピカの彫像のくせに「20名様に一万円」という金額だ。

画像が与える印象に比べて、金額が矮小すぎるのだ。

 

だから、同内容で適切と考えられるキャンペーンは以下。

「秋の大人の読書感想文キャンペーン」

百田尚樹氏の最後の作品「夏の騎士」を題材に感想文を書こう!

読書の秋に合わせて、大人の皆さんも読書感想文を書いてみよう。

感想文は百田先生も目を通します。

先生が飾っておきたいと思った感想文を書かれた方20名様を選考し、それぞれ一万円をプレゼント!

 

これなら「普通」なわけです。

 

何故か、炎上上等のキャンペーンにしか取れない露出の仕方をしていたのは残念だったですね。

 

だけども、よくわからないのは新潮社が中止したこと。

 

その前に新潮社への攻撃が過剰であったこと。

 

多分、これが別の作家であればここまで炎上しなかったのではなかろうか、と考えます。

 

まあ、私は現代作家に興味がないので、最初から読書の中に入らないのですけどね。

 

博打が嫌いなため、ベストセラーになったものだからという理由で読みたくない。

 

私が読む最新の作家は日本人で言うと、林譲治氏だったり羅門祐人氏くらいか。それもここ10年以上は新刊を読んでいない。

 

ただ、私の読書生活は中学時代に読んだ池波正太郎氏の「剣客商売」がひとつのターニングポイントでした。

 

「剣客商売」は新潮文庫にあります。引っ越しで印刷されたものは売り払いましたが、Kindle版で全巻揃えています。

 

新潮社には良い印象があるので、是非、この不当な攻撃に負けず頑張ってもらいたい。

 

応援しています、新潮社。