Olight Marauder2の中心スポット部分の色温度と配光が気に入らなかったのでカスタムすることにした。

〜気に入らなかった理由の内訳

「「色温度」」
・色温度がOsram CSLPMのクールホワイトなのだが、どうしてもレンズを通すと青白い内側エリアと赤黄色(以下アンバー)の外縁エリアに分かれてしまい、せっかくRGBが揃った6000k色温度の白色も、青緑の強い7000k以上の白色になってしまう。
 スポットモードではガチのスポットメインで、周辺に散る光はTIR レンズライトと比べてもかなり少なく、至近距離では丸型、30cm以降は四角いビームがぶっ飛んでいく感じである。このスポットでは霧の中でも通りそうだと一時は感じた。

 しかし、せっかくの力強いスポットも赤黄色等の色温度の低い光がレンズ特性により外縁に追いやられ、LEDのきれいな白色という特徴を発揮しきれない青白い白色になっているため、霧や煙の濃い環境での光の効率が低くなっている。
 と言うのは、光の色温度が高いということは波長が短いという事であり、波長の短い光は霧や煙の中での直進性が低くなる。

 そこで、光の波長の長い3000k色温度以下の「ウォームホワイト」か、青や緑の波長の無い「アンバー」の光に変えてしまおうと思ったのだ。
 特にアンバー色は前記した通り青や緑の無い暖色を超えた暖色なので、色分裂したとしても赤と黄色の波長しかないため、青や緑の波長のあるウォームホワイトと違い色分裂で汚いスポットになることは無い。

 ただ、アンバーにすると色の識別性が低くなる。そう、青や緑の高い波長の光も重要な要素で、青や緑のような高波長の光は、物体の反射性を高くするため視認性向上に繋がる。
 また、霧や煙の無い環境下での使用も考える必要性も大きく、照らした先の物体の色識別もしっかりと出来る必要もある。

 上記までの理由から3000k色温度以下のウォームホワイト光源またはアンバー色の光源が良いと考えたのだが、現状でCSLPMシリーズの10W光源と同じパワーの他社光源は
・Kaidmain社製カスタムアンバー5050規格LED(多分XM-L2のカスタム版)
・XP-L及びXP-L2 3000k
の2種類である。

 LEDを変えると、チップ発光部分のサイズが変わり、スポットサイズや形状に悪影響を及ぼす危険を考えたが、カスタム歴の長い方々の情報提供により「XM-LサイズのLEDでも、コアサイズはCSLPMと大きく変わらない」と判っている。そのため、スポットサイズや形状に関しては問題ないと考えており、色分裂に関しては、コアを覆う樹脂カバーをディフューザー状に研磨するなどして対処する予定であるが、XM-L2系のLEDは、コアへの内部配線が露出しているという注意点がある。
 デドーム(半円状の樹脂カバーを平面カットする作業)で深く切りすぎたり、研磨時に強く研磨したり深く削りすぎると、LEDを壊してしまうので慎重な作業が必要と考えている。


「「配光」」
 Marauder2のスポット時の配光は、とても効率的なスポットと、円形のOlight 独自集合型コリメータレンズ板による僅かな周辺光から成る。
 僅かと書いたが、暗闇でもターボ時に少し見える程度なので非常に弱い周辺光であるが、今回のカスタムにより、もう少し目立つ感じになると予想している。
 理由としては、コアサイズがOsram のCSLPMとほぼ同じとは言っても少しだけ大きい感じになっている。ワイドの拡散系では光源と光学パーツとの多少の相性・距離・サイズ比の違いは大きな変化に繋がらない。しかし、スポット系となると、レンズでもリフレクターでも光源とパーツとの調整や相性の僅かな誤差が大きな変化になる。

 特にXM-Lをカスタムしたと予想しているKaidmainさんのアンバーLEDは、コアの位置と内部配線の関係上、LEDダイ(コアの付いているLEDのベース板)から1ミリほど浮き出るデドームになる。
 それに伴うレンズとの距離の変化や、樹脂カバーの形状によってスポット形状と周辺光の量は変化するだろう。

 上記の内容を考慮しつつ、理想となる配光になるようLED選定とカスタムを行い、ワイドモードでは白色のワイドライト。スポットモードでは、霧や煙の中でも先方を見渡せるビームと、スポットでも足元が見えるTIR レンズのような実用を載せたライトにする。