―その痛みは私に刻み込んでいく―
[ったく、年下の彼なんか作るから…]
そういって、青山さんは私を愛していく―
薄暗い寝室で大人のすることといえば情事
青山さん―、青山和哉は私の上司である
なんでこうなったかというと
後輩の年下の彼氏に振られて、ブルーになった私を慰めて…
最初はバーでお酒を呑んでいただけだったけど
終電が近づいて帰ろうとしたら、抱きしめられて
お持ち帰り…で今に至る
[はっ、亮太とは結婚の約束までしてたんですっ、年だって3歳ぐらいしかっ、あっ]
律動がいきなり変わり、頭がおかしくなりそうだ
[アイツの事は思いだすなよ、もっと集中しろっ]
バーにいたときは優しく慰めてくれたけど、今は悲しみの奥底まで攻め込んでくる
[んっ。]
そうして彼は、私のすべてに花びらを刻んでゆく
首、鎖骨、腕、手首、太もも―すべてに花びらが咲いていく
微かな痛みと、波のゆうな律動に身を任せていると
今にも堕ちてしまいそう
[小林のことなんかいいから、お前は俺だけに乱れろ]
最後に聞こえたのは、その言葉―
起きると、夜は明けていて朝日がさしていた
午前5時。私は、彼を起こさないようにそっとベッドを抜けだして
シャワーを借り、床に散らばる衣類に袖を通す。すると、青山さんが起きてきた。
[おはよ]
[おはようございます]挨拶を交わすと、青山さんは仕事の時の真面目な顔をして言った。
[昨日の返事は?]
昨日、彼は私を部屋に入れて言った…
絶対泣かせないから、大切にするから、付き合ってくれないか?
って。攻め込んだのも愛があってだし…
[よろしくお願いします]
まだ、私の中には亮太がいる
だから、青山さん
私に貴方を刻み込んでくれませんか?
青山さんと付き合ってから数ヶ月。
彼は全力で愛してくれている。だから、もう亮太のことは考えないし、考えられない。
