辛い仕事 | りんの日記

りんの日記

18トリソミーの娘、ぴーちゃんを授かったことから始めたブログです。
ぴーちゃんの育児日記でしたが、お空へと送り出し、なんとなくダイエット日記になっていましたが、息子ふーちゃんを授かり、育児日記に戻りました。

ナースステーションで車椅子に座ってる患者さんは、目の離せない割と動ける認知症であることが多い。


看護師がパソコン入力しながら、適当に相槌を打ちつつ対応している。



自分の中で一生忘れないだろうなっていう患者さんは何人もいるのだけど、最近毎日ナースステーションにいるあの女性患者さんもその1人になるだろうなって予感してる。



すらっとした長身のおばあちゃんと呼ぶにはちょっと上品な感じのする方。

子ども3人を育て上げ、末っ子はダウン症。



自身は山登りが大好きで、学生の頃にはかなりな山を登り、子育て中にも子ども連れて登り、子育てひと段落したら、もう登りまくったという、まじモンの山ガール。



認知症のため、短期記憶は3分程度しか持たないが、一般的な会話はなんら問題なく、子育ての話や山の話はとても面白く勉強になる。


ダウン症のお子さんの育児のことなどは見聞豊かで、育児を楽しんでやりきってきたんだなって思う。



ナースステーションで軽作業をしてもらいながら、お茶を出して余裕があればおしゃべりをして、患者さんも穏やかに過ごす。



だけど、日が暮れる頃になると、育児中のお母さんに戻ってしまう。



今日はありがとう。楽しかったわ。

そろそろ子どもたちのご飯の支度をしないとね。

あら、私荷物どうしたかしら?



看護師はそれぞれ色々な言葉で引き留める。



もうちょっとお茶どうかな?

バス来るまでここで待ってよう?

今入院してるから、今日はお泊まりだよ。

お子さんはもう大人だから心配ないよ。



いろんなスタッフが代わる代わる声をかけて立ち上がる彼女を座らせる。


そして人が手薄になる夜勤の時間になるとベッドに拘束されてしまう。





よく患者さんのオムツを交換していると、その患者さんから、

「大変なお仕事ね。こんな汚いこと。」


と言われる。


下の世話なんかさせて申し訳ないという気持ちで言ってくださるのだろうけど、オムツ交換なんて、それこそ屁でもない。


看護師の辛い仕事はね、お母さんに戻って、早く帰らなきゃって思ってる患者さんをベッドに拘束することだよ。


そして拘束した自分は息子の保育園に飛んで行くの。


あの患者さんだってそうしたいのにね。



深く考えるとこの仕事はできなくなるから、歳と共に深く考えることは控えるようになった。


でも考えちゃう。



あの患者さん、もしご近所の方だったら私はお友だちになりたいと思う素敵な人なんだ。


早く退院先が決まって落ち着く場所ができたらいいな。