比較のしようのない統計の話なのだが、そういえば人生の中で転んだ回数が人よりも少ないんじゃないかと思う。ビブラム均整のとれた体で細くて長い脚をしている女性の大半はある日ふとそう思う。ビブラム 5本指石畳の街路にヒールが刺さってよろけたことや、雨に濡れた陸橋の下り段でつるっといった記憶がいくら思索しても引き出されないことに気付く。細くて長い脚をもつ女性は靴を選ぶのがうまいからだ。踵の高さがふくらはぎの肉にもたらす作用を計算する能力が身についている。ビブラムファイブフィンガーズ履いてみなくともすみやかに解答に辿り着く。細くて長い脚を最大限に美しく魅せることへの飽くなき追求の為せる技である。ビブラムKSO常に履き慣れた使いやすい高さの靴を豊富なバリエーションで揃え持つ。よって転んだり躓いたりすることと無縁な生活となる。
それなのに、何にもない平坦な道でつまづいたり、信号が青になって歩きだそうとしても足がうまく前に出ないことがある。repettoのバレエシューズや TO&COのクラフトシューズを選ってもそうなることがある。とりとめのない会話をしながらも、瞬間、緊迫した空気が流れて、まわりの空気が不意に煮立ったように濃くなるとき、よろけて、その人より半歩遅れてしまう。五本指 シューズ広い背中が振り返り、「どうしたの」 その人の声が頭のてっぺんのちょっと先のほうから問いかけるとき、しょっちゅうバランスを崩しては文庫本を落としていた思春期のあの頃に戻ったような気持ちが薄く胸を過ぎる。
それなのに、何にもない平坦な道でつまづいたり、信号が青になって歩きだそうとしても足がうまく前に出ないことがある。repettoのバレエシューズや TO&COのクラフトシューズを選ってもそうなることがある。とりとめのない会話をしながらも、瞬間、緊迫した空気が流れて、まわりの空気が不意に煮立ったように濃くなるとき、よろけて、その人より半歩遅れてしまう。五本指 シューズ広い背中が振り返り、「どうしたの」 その人の声が頭のてっぺんのちょっと先のほうから問いかけるとき、しょっちゅうバランスを崩しては文庫本を落としていた思春期のあの頃に戻ったような気持ちが薄く胸を過ぎる。