まず、多少ネタバレあるのでこれから映画観る人は注意。
暑さに極端に弱くなった体をえっコラショと押して「キングダム運命の炎」をやっと観に行きました。
暑さというより、病院にせっせと通ってもなおりゃしねえ慢性眩暈病が原因なんだけどね。
徒歩での移動可能距離、最大に努力して1キロが限度です。階段は使えません。
さてわたくし、最初に言っておきますが、戦闘シーン中心の少年漫画にどうしても興味が持てません。
敵と味方に分かれて血しぶき上げて戦い勝利を得る、というバトル物が兎に角苦手で
ケンカしてないで話し合いで決着付けなさい、と言い捨てたくなるの。
だって人類の歴史は殺し合いの歴史、散々悲劇を積み重ね、戦いのない平和の世を、と民衆はいつも望んでいたじゃない。
何故戦いや殺人シーンをエンタメとして鑑賞できるの?
最近ヒットしてる人気漫画やアニメは、世界観は違えど、いわゆるバトル物ばかり。
だから、バトル抜きで真のエンターテイメントの深みを見せてくれる手塚治虫先生はつくづく偉大だと思うのです。
さてここまでで相当敵作ったな。
はいそんなわけで、ここでキングダムの映画レビューする資格なんか私にはありません。
観に行ったのはひたすら、われらが玉木宏が、見目麗しい天才軍師「昌平君」としてお出ましになられるから。
ええ、美は正義です。
キングダム一話目で、山の民の王長澤まさみの傷や汚れひとつない白い肌に、
「日本映画には戦場でのリアリティが足りない!」と言ってる連中が沈黙してうっとりしてるの見ても分かる通りです。
一応あらすじざっと書くと、
中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信(山崎)と、中華統一を目指す若き王・エイ政(吉沢亮)の活躍を壮大なスケールで描いております。
さて昌平君は榛国の軍師、ひいては軍総司令官。らしい。漫画よく読んでないのでわからないけど。
キャストの中でもぴか一の一致度だ半端ないと聞いていたのでそりゃ期待も膨らむってものです。
うん、まず間違いなく昌平君だった。何なら二次元以上にいらん色気振り散らかしてる昌平君だった。玉木宏の出番の日は女性スタッフがそわそわキャーキャーしていたと現場スタッフが言っての聞いたけどさもありなん。
しゃべり方立ち方立ち居振る舞い、上品で威厳があって美しくてなんか怪しい。
なんなら、紅一点と言っていい
彼は武にもたけているというけど、そのシーン見せんかい!とわなわなしてるうちに映画は終わった。
ほかにもも拾い物はありました。
思ったより、キャストがみんないい。原作ファンではないけど、いちいち魅入られる。
吉沢亮、若いのに座っているだけで王のオーラが出ている。気品と覚悟と気高さ。ただものではない。というかかこの人も原作にそっくり。
敵国に捕らわれた「王の子」である彼を逃がそうとする闇商人、紫夏を演じる杏の、情緒シーンとアクションシーンに不覚にも泣かされた。脚本も演出もうまいわ。見せる力持ってるわ。この人の演技に今まで一度も心動かされることはなかったけど、本作では泣いた。実生活で修羅を経験した女の強みかしら。
そして、主人公信とともクライマックスで敵と戦った清野菜名/羌瘣。
全然知らなかったけど、ここまでワイヤーアクションでなく体の動くアクション俳優(しかも日本女性)を見たのは久々かもしれない。
何という身の動きの清々しい切れっぷり。この人何者?と思ったら、もともと運動系の部活をしていて、ミラ・ジョボビッチのアクションにはまり、アクション俳優としての修業を受け、園子温監督にアクション女優として見出されてからは数々のアクション俳優としての賞を捕り、順調にわが道を作ってきた人なんですね。
日本映画界はもっとこういう人が出てくることを歓迎し、出演機会を増やし、支援していくべきだと思うわ。これ程体が動くアクション女優は、志穂美悦子以来じゃないかな。
何かというと主人公ででてくるとか見飽きた、と言われてる山崎賢人、よかったじゃないですか。
身体もよく動くし、彼の癖のないまっすぐ前向きな少年性が、この映画の役によくマッチしてるわ。
さて個人的にわりと好きな大沢たかおは、一作ごとに腕の筋肉がもりもりしてるのが明らかに分かる♡腕組みシーン多くて嬉しい。
今回は信たち百人の寄せ集め兵に栄光を与えて敵の大将の首を取らせ、おーしこれでよし。となったら次なる化け物が出てきてオーマイガー、で本編は終わる。次回予告も何もない。いやなくてもいいけど、これは絶対続編がないと許されない終わり方だよね?
バトルシーン好きじゃなかったけど、まんまと魅せられました。王騎は馬の上で腕組んでるだけで今回は動いてくれなかったけど、次は大沢たかおも玉木宏も小栗旬吉川晃司も勿論主人公の山崎賢人も是非大暴れしてほしい。
(戦いモノ嫌いはどこいった)
このわたしにそう思わせるぐらいの娯楽性と説得力がこの映画にはありました。それは確か。
山崎賢人、来年上映のゴールデンカムイでも主演やるのよね。そしてわれらが玉木君も鶴見中尉というかなり狂った役どころで出ます
素顔は部下思いの美中年なんだけど、戦で頭に大けがをして以来、前頭部をプロテクターで覆い、目の周りはやけどのケロイドに囲まれ、興奮すると脳汁が垂れ落ちてくるという、とにかく危ないキャラ。いいねえ。
でもねー、ゴールデンカムイの主人公杉元佐一は不死身でマッチョでコミカルで「生々しい狩猟―生々しい解体(ここまではアイヌの少女アシリパの仕事)ーヒンナヒンナ、突然孤独のグルメ」ができる人で……周りを固めるのは筋肉変態男ばかりで……
とにかく「漢臭むんむん」な映画、になるはずなんだなあ。グロと変態度多し。ここらへん原作ファンは妥協しないと思うけど、ちゃんと雰囲気出せるかな?
個人的に、杉本役、柳楽優弥がよかったな。
あっ、賢人君ごめんね。個人的な好みなの。
その前に、大沢たかおと玉木宏とくれば「沈黙の艦隊」がありますね。
玉木宏の制服姿と額の横皺が堪能できる作品です。(説明それだけかい)
これはね、彼がどうとかいうより、評価される作品に仕上がっててほしい。もうそれだけ。