元々玉木君のことを語るために始めた日記ですが、日々の雑事が主になってしまい、
いつも「期待はずれで申し訳ないなー」と思っている私ですが……
お許しください。本日の主役はジョニー・デップです。
海外の有名人ではレオナルド・ディカプリオと並んで私がリスペクトしている「美しい男性」なのでございます。
その彼が、
チッソ水俣訴訟をテーマにした映画を作り、写真家ユージン・スミスを演じている。
プロデューサーもジョニー自身。
映画はすでに世界規模で公開中。タイトルは、「MINAMATA」日本での上映は、九月!
予告はこちら。
こんな大事なことを、今頃知ったわけです。私にとっては、大ニュース!
ジョニーのファンだから大ニュース、だというばかりではありません。
水俣事件は、オットが学生時時代に、青春をかけて戦った訴訟なんです。
以前ここのブログでもオットと水俣の関わりについて書きました。
こちらです。
https://ameblo.jp/1310mint/entry-12250677322.html
この中で、オットが住みこんだ家は、水俣病の最初の被害者と言われる実子さんを出した田中家でした。
そして田中実子さんは、水俣に三年間住みこんで撮影を続けたユージン・スミスが、最も沢山撮影を続けた被写体でもありました。
でも、撮られる側の内面を写し取るのを旨としてきた彼は、彼女を心の内を映しきれず、たった一枚の写真しか残せませんでした。
当時、田中実子さんは18歳。
その当時の彼の様子を、ある記事ではこのように書いています。
田中実子さんは、18歳。胎児性水俣病患者の一1人だ。ふっくらした唇からはわずかに涎が垂れていた。時々うつろな目でこちらを見てほほ笑む。
ユージンは「ジツコチャンは病なんだよ。ジツコチャンは年頃の娘なんだ。好きな人に好きともいえない女性なんだよ」と涙を流した。
「ジツコチャン、私の写真には、あなたの移ろいやすい乙女心の闇や、奥底が写っていない」。
結局、1000枚の中から写真集に使った実子さんの写真は1枚だけだった。巨匠と呼ばれたユージンが、アシスタントの石川さんの前で赤子のように大泣きした。
(MINAMATA: W. ユージン・スミスへのオマージュ
2019.10.08
土井 恵美子(ニッポンドットコム)より
その田中実子さんの家を、2017年、本当に何十年かぶりにオット(と私)は訪問し、そしてご本人ともお会いしたのですが、あえてご実家でのご本人の様子はプライベートなことなので省きました。
ただ、年老いた実子さんは静かに、遠い遠い目で何かのかなたを見るようにしていました。
予告を見る限り、映画の中のジョニーはユージン・スミスとそっくりです。ジョニーの素顔がよくわからなくなるぐらい。
こちらがジョニー・デップ。
あの信じられないような災厄を、被害者とともに戦ったオットを、私は誇りに思っています。そして、チッソに対する怒りは今も変わりません。
これが日本の「大きいものには黙って巻かれとけ」体質なのです。貧しい漁村の、学も知識も金もない漁師たちが、大企業チッソ相手に法的な戦いを挑むのは、蟻が象に喧嘩を仕掛けるようなものです。それでも、協力者がどんどん増えて力を貸した末に、チッソ側はついに「自分たちの落度だった」と認め、謝罪しました。
田中実子さんの家に泊まり込んで力を貸していた頃、オットは学生で、ミカン畑の世話なども手伝っていたと言います。そして、食卓に上る魚を食べていたとも。
ジョニーがこの問題に深く興味を持ってくれたのは何よりうれしいことです。彼は企画段階からこの映画に積極的にかかわっています。そしてユージン・スミスを演じることを切望しました。彼の写真集「水俣」は何度見返したかわかりません。すばらしい写真集、と呼ぶにはあまりに重い、熱い、苦しいものが詰まっています。静謐の中に。
とにかく、日本人として、観て知っておくべき映画だと思います。
願わくば、コロナ禍のなかで、無事上映されますように!