あー、会いたいな。「極主夫道」の龍@玉木君が恋しい。どうやら私はあのキャラに相当持っていかれたらしい。キモは表情と運動神経だね。ママチャリで爆走する姿さえ堂に入ってた。喧嘩シーンもマル,できればもちょッと見たかった。
さて本日の本題はそんなことじゃない。
亡くなった父が嘆いていた、「グルメ番組の多さ」です。
92で亡くなった父は、誤嚥性肺炎でしょっちゅう高熱を出し、遂に胃瘻をつながなければならなくなりました。
胃に直接穴をあけて栄養剤を流し込む、あれです。
最初それを打診された時、父は「それはまともに生きる人間の姿ではない。絶対に嫌だ」と断言しました。
しかし美人に弱い父は、美人の女医さんに「生きましょう。胃瘻はいずれ外すこともできます。口からの食事が可能になればまた食べて生きられますよ。わかりましたね?」と美しい顔を近づけて説得され、案外淡々と納得しました。ありがとう美人先生。
ところが、味覚を使わずに胃瘻から流し込むという毎日は私たちが思っているより過酷だったようです。
施設の個室を尋ねると、父は大抵ブスっとした顔でテレビでお相撲かゴルフか囲碁番組かニュースを見ていました。
そしてつくづくこう嘆いていました。
「世の中は食っている番組ばかりだ。見たくもないのに、すぐぶつかる」
そう意識してみると、本当に日中の(夜もですが)番組はグルメ、食べ歩き、料理番組ばかりです。そういうの避けようと思ったら実に頻繁にチャンネルを変えないといけません。どいつもこいつもすぐ食べ始めやがる。
人はなぜこんなに「食べてる番組」が好きなのか。
口から味覚を味わえなくなった父の立場に立つと、心が痛みました。
あれから私は、父の無念を思い、「食べてる番組」「レシピ番組」が始まるとチャンネル変えるようにしました。
そしたらびっくりした。どれだけチャンネル変えねばいけない事か。
面倒臭くなったので、特別なドキュメンタリーorニュース以外、テレビは見なくなりました。
ああこんな風に、テレビはすべてが健康な人のためにできている。明るいけれど楽しいけれど、
一部の人にはなんて残酷なことか。
父のことがあって、私はいつもそう思うのです。
(ちなみに娘のマンションにはテレビがありません。夫婦そろってうるさくて嫌いだそうです)