ホテルでスーツケースにくるぶしぶつけた程度のけがが大ごとになってしまい、足が青紫に腫れあがってふくらはぎまでパンパン、レンタル杖にすがって通院した挙句、切開手術してゼリー状の血をしぼり出すという恐怖の治療に通ってました。
ンなことしてる間に紅葉の季節は終わり、ここ数年ではじめて、井の頭公園の紅葉の写真が撮れてない!
それがくやしくて、きのう夕方一本だけ頑張ってた紅葉さんを撮ったら、なんかたくさん飛んでた……
わたしも妙な写真はしょっちゅう撮るし、この道を深夜にとおるとよく荷物を引っ張られますが、
こうはっきりと映られるとぐうの音も出ませんわ。
単に下手くそなのかもしれないけどサイバーショットで撮った夜景でこんなの初めて。
さて、おそるおそる、玉木宏君主演の「鬼畜」見ました。
録画です。だって当日は腐っても醸してもイブじゃない。
しょっぱなから父ちゃんが可愛い息子を投げ落とそうとしてるシーンとか、もう家族じゃ無理。
わたし、緒形拳と岩下志麻のは見たんですよ、昔。
それでもうトラウマになった。
子役が棒なのは仕方ないとして、赤ん坊の口に志麻さんが鬼の形相でご飯詰め込んで号泣させるあのシーン……
今も忘れられない。
あの子はまともに育ったろうか、親はあのシーンを見てどう思ったろうか。
そとのきからわたし、「鬼畜」という作品に対してシャッタ―が降りちゃったんです。
自我も確立してない赤ちゃんの命を危険にさらしてまで取る価値なんて映画にはない!と。
でも、とにもかくにもろくでなしで中途半端な男が元凶、という作品に玉木君が出る。
これは見なくては…… 当人も苦労したことだろうし、どうキャラを自分の中で消化したんだろう。
そして、愛人である木村多江と妻の常盤貴子の間で小さくなってるシーンで、あきらめたの。
これは彼がどう努力してもどうにもならない。なぜなら女たち二人が強すぎるから、迷いがなさすぎるから。
憎むこと怒ること、捨てることに。
そして男には戸惑いと迷いと逃げたいごまかしたいというその一心しかない。つまり彼女たちにないもの全部引き受けてるわけで
これは、見どころと言ったら、少しでもまともな父親や夫でいようという気持ちを捨てて鬼になっていく過程を見るだけの、そういう作品なのかなあと。
ひとかけらでも、
ほんのひとかけらでも、誰か何かに対するひっかかり、「愛」の有りどころを見たかった。
でも、利一少年の聡明さ素直さを見ても、父親である宗吉にあるのは愛のかけらではなく、戸惑いと保身と絶望への覚悟。それだけだった。
みどころといったら、利一を崖からポイした後の、妻と目を合わせるシーンの「人を殺した人間の目」でしたね。
ああいうときの顔つきはもう天下一品。
その前の、利一にかける多少なりともやさしい言葉は、「連続最中つっこみシーン」みちゃえばもう
殺しのプレリュードとしか見えない。
でさ。
もう何も愛せないんだから、二人で毒煽ってさっさと死になさいよとか、そんなことしか考えずに見てたの。
妻は最後にいいとこ持ってって、すべての罪は自分にあると叫んで夫をかばって自害するけど、彼は後を追うでもない。
それは、父親として生き残ってやるべきことがあったから? 本当に、そう?
つまり、憎み切ることも愛しきることも何かを決断することもできず、人としての煩悩だけを背負ってさまよう、
そういう、最もみっともなくて最低の意味で人間臭くて、普通はだれも見たくない人間の本質を、彼は、玉木君は、引き受けたんだと思う。
その、ひたすら揺れ続ける演技には、拍手をお送りします。ぱちぱち。やっていて、つらかっただろうなあ。
で、設定キャラに文句言うぞ。
宗吉。
アンタまた父親やる気なら、子どもたちが思春期に差し掛かり、心の中にねじ伏せていた「不都合な真実」を改めて突き付けてきたとき、
洗いざらい話して土下座するぐらいの覚悟は持っててよ。
でもそれまで大人しく父親してるかっていうと、まーた綺麗なおねーちゃんやおばちゃんが手伸ばしてきてややこしいことになるんだろうなあ。
だってだって、宗吉無駄に色男過ぎるもん。あんなキレーな顔してフツーに父親だけやってても無理でしょうよ。
(でも、玉木君みたいな色男がやってなかったら、私単純だから不愉快すぎて番組最後まで見られなかったと思うわ)
そしたらもう、「このようにとーちゃんは女好きであるので君たちは立派にそれぞれの人生を生きてゆくように!」とでも書置きを残し、
あほの人生を全うしてほしいし、
子どもたちには親切な食堂のおばちゃんとかの里子とかになって芋鍋でも何でも食べて太ってほしいわ。
多分聡明な息子は父親を愛し許すことで少しでもまっとうに近い人生を歩もうとするだろうけど
アンタの父ちゃん、もう別世界みちゃったから。
崖から子供投げるっていう自分自身をね。
だから、賢くなんて育たなくていいから
世のなか人間いろいろ居るけどそれはしょうがない、大事なのは反面教師にする知性と一人の人間を大事にするまごころだと、
それを教えてあげてほしい。
なあああんてつまんないこと考えながらジムビーム片手に見てました。歳食ったなあ、自分。
さて、ホントにしさしぶりに小説書きました。
三回で完結するので、夜の暇つぶしに読んでね。
タイトルは「Forget me not」
小説家になろう、というサイトにのってます。
https://ncode.syosetu.com/n8303el/