「すみれおねーちゃん、ミーシャも木登りするにゃ!♪*:」

「いや、あっちからいつものヤな奴が……」

 

「またきた茶トラ野郎!ミーシャのおうちに入っちゃダメ!」

「い、いや、ただボクは……」

「表に出るにゃ!」

 

「だからつまり、キミのことが好きなんだけど……♡( ^ω^ ;)」

「毎日変な声で家の周りうろうろして、今日こそ勝負にゃ!ヽ(o`Д´o)ノ」

 

 

なかなか由々しき事態だけども……

 

 

すみれ危うきに近寄らずにゃ。

 

 

春ともなれば、毎年うちの周囲はいつも雄猫の悩ましい呼び声で満ちていたもんでした。それこそひと晩中。

あお~ん、あおお~ん。

そしてうちの雌猫たちを狙ってウロウロ巡回する殿方たちは、大抵ばっしばしに向こう傷をおって荒くれていたものです。

でもこの茶トラは結構きれい。そして割と紳士。

彼が追い求めてやまない美ヤマネコミーシャに出逢うと、ただ低姿勢で切ない恋心を打ち明けるんです。そしてミーシャの怒りの鉄拳で「す、すみません、出直します」と

情けない顔で敗退。(画像参照)そして翌日も窓から家の中をうかがう。

「愛しのミーシャさん、おはようございます」

「いやう~~~~!!むかっ

そりゃしつこくてもう毎日毎朝毎昼、「怒ったお顔も可愛いですね」「いやう~~!!」

春の終わりには彼の本能の嵐も収まるのだろうか。

勿論美少女連は全員避妊済みなので彼の恋心はかけらも伝わりません。

動物の恋心はストレートで切ない。

 

どこの猫か知らないけどごめんねー。

でもミーシャは生粋の燃える闘魂、ヤマナシヤマネコなのでお勧めしません。

 

 

 

                    二度と来んなよ。