ふっふっふ。
今回初めて田之倉くんのセリフに共感したぞ。

「そこまでいい人ぶってて楽しい?」

うんうん!そういいたくなるよね!
綾瀬はるかちゃんの演技も本人も好きだけど、あの腹の中真っ黒の恋のライバル(持ち駒は愛嬌と鮮度と手に職と若さだそうだ!)の初恋を傷つけたくないとか、とかとか、まったく共感できませんから!
してほしいならもっと共感したくなるいたいけな女の子連れてきてください。
「わたしたちの気持ちなんかわかんないよ」って、自分に恋してる女の子の味方になられちゃ、田之倉くんも立場あるまい。彼女は恋のライバルではないのか?と思うでしょう。
自分がちゃんと言いに行くというのを断って、交際していることを明らかにするといった花笑が挫折した結果、こんなこといわれても。
いや、そもそもなんで花笑はひろ乃の気持ちがわかるのか?
一途な片思いに身を焦がしたことはあるのだろうか。
それに、どう考えても田之倉と付き合ってるとわかるエピソードを花笑があれほど語ってるのに、完全無視で「それでもわたしは彼が好きです」
これは正面切って対決宣言ととられてもおかしくないぞ。でなくても気づくでしょ。あえて無視することで、わたしは引きませんよ、と言ってるも同然に見えてしまったわ。

もちろん花笑はいい人ぶってるわけではなく、相手を傷つけたくないという気持ちが一周して田之倉を傷つけてるわけだけど、その恋の正体も「この人は神だ!」だもんね……
だから、「自分ごときに恋してくれる男は神だ」ってのは一般人が見てもどう見ても残念な容姿の女性が言うことであって、何であんな美女がそんなに恋の一つをありがたがってしまうのか。に、なっちゃうですよ。わたしはね。
そこに説得力を持たせようとしているのが「だって30」「だって30まで処女」「だって恋の経験もないし」

かーっ。全部「鮮度」だけじゃん。鮮度鮮度って、築地の魚か?海鮮丼か?
人としての中身は? どうして自分をそんなに卑下する?
同じ年ぐらいまで同じような状態で、しかも何一つ自分を卑下していなかったわたくしの立場はどうなるのでしょう。しかもあんな美貌のかけらもなかったわけですが……

花笑の田之倉への恋心は、
例えば腹を減らしてがーっと口を開けて寝てたら箪笥の上からぼた餅が口の中に落ちてきた、みたいなもんじゃないかと。
あわあわしていたら餅が「あなたきっとこの味好きになりますよ」
そこでどこかのケーキが「気を付けて。慌てて飲み込むとのどに詰まらせますよ」
こんなもんじゃないかと。(下手なたとえですいません)
ありがたやありがたやとひたすら低姿勢でもぐもぐしてたら、よそから鳩の羽被った猛禽類が来てとっととさらっていってしまった。そしてケーキが車に乗って「僕も結構おいしいですよ」
どうも、どちらに頑張れと言っていいのかよくわからない状態で……

で、今回も感心したのが、やっぱり瞳に恋する加々見の目の表情ですね。
なんとか雄大という彼、新鮮で演技もうまい。心についた傷がきちんと目に出てる!
そしてわれらが朝尾。
ソーセージ屋の夫婦ごっこにきちんと花笑を乗せるあたり、強引だけどうまいし流石ですね。そして胡桃の買い取り先まで用意して、気遣いのできる男も演出。
そして海辺で座り込んだ挙句
「……なにしてるんですか?」と花笑に言われて

「見てわからない? 黄昏れてるんだよ」

く~~~~っ。そんなセリフが許されるのはあんただけだぞ、おのれの哀愁が見せたかったんかい!
「はあっ?」と呆気にとられてた花笑も、自分が助けになったと真顔で言われて、思わず横に座り込む。
せっかくいい雰囲気だったのに、きました、恋のライバルからの宣戦布告メール!
動揺した花笑、
「やっぱり帰ります!」
帰すのか?ここまで誘っといて、それでもかえしちゃうのか朝尾。と思ったら、なんか様子が変。
車のキーがないと言い出して

「……悪いけどきょうは帰さないよ」

きたきたー!花笑を見る目が獲物を見る目になっとる!
いつ狼に変身するのさ、と期待してたんだけど、本性表しましたね。
車までの道の怪しい雰囲気、花江が車周辺でうろうろしてるあたりの目、ゾクゾクしました。
他人に恋してる男を強引に自分のものにする。ハンティング開始!

……だけども、ちゃんと人でなしになれるかというとたぶん無理だから、まあ折れるんだろうなあ、朝尾。
なんだかんだいいつつ、送っちゃうんだろうなあ。
これが毛色の違うドラマなら、けんか別れした挙句他所の子とどうかなっちゃいそうな田之倉に腹を立てて
そっちがそう来るなら私も!と花笑も朝尾とよろしくやりそうだけど
キャラがはっきりしてるから、逃げの一手しかないのはわかってる。

で、この先朝尾とどうにかなりそうな目はというと、全然見えないわけで
最初からカップル成立してる花笑と田之倉が、再びうまくいくまでのストーリーかなと思うと
あとひとつ、朝尾と別の意味でいいから深入りしてもらったほうが面白いのにー、と思うのであります。
あと、大城の後輩愛?にはじんときましたわ。オカマ社員もいい味出してるし、もちろん瞳もピリッといい香辛料になってる。マモルの恋も混ざって、ここら辺の味付け具合がうまいですね。やっぱり脚本うまいなあ。役者もみんなうまいなあ。タイトルバックの、草花がふわふわ生えてくるイラストもいい。歌もいい。
ブーブー言いながらも、楽しみに見ずにはいられないドラマなのです。